クッション・ガス
読み方: くっしょん がす
【英】: cushion gas
【英】: cushion gas
地下貯蔵ガスの取り出し圧力を維持するために残されるガス。 ガスの季節需給調節のため、枯渇した油ガス層や背斜構造の水層を地下貯蔵に利用する場合は、ガスを貯蔵層に圧入するためにコンプレッサーを用いて加圧するが、取り出すときには層内ガスの自圧でパイプラインに送入する。このため取り出しに伴ってその末期にはガス層圧が低下するとしても、それはパイプライン入口圧として必要な圧力以上でなければならないので、そのような層圧を維持するのに対応するだけのガスは、取り出されずに層内に残される。これをクッションガスという。 これに対し、クッションガスの圧力を利用して出し入れするガスを、ワーキングガスという。 圧入期にはクッションガスの上に新たなガスが圧入され、層圧は高まりクッションガスはさらに圧縮され、取り出し期には再び膨張して貯蔵ガスを押し出す原動力となる。当初に圧入されたガス量のうちクッションガス分は長年にわたり取り出して売られることなく、上述のような稼動用に使われていることになるので、ガスの地下貯蔵コストの算出に当たっては、このことを考慮に入れなければならない。適当な層圧を現に維持している油層やガス層にガスを圧入する場合には、クッションガス量を見込む必要はない。ただし、層圧を維持している油層、ガス層にワーキングガスを圧入する際には、当該油ガス層の成分と圧入成分が異なる場合もあり、この際には混合・拡散等による圧入成分の組成変化が生じるため、取り出す際の熱量変化等を考慮する必要がある。 (江波戸 邦彦、2006 年 3 月) |
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