ギリシア建築のオーダー
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「ギリシア建築」の記事における「ギリシア建築のオーダー」の解説
ギリシア建築の神殿は、ドーリア式、イオニア式、コリント式のいずれかで構成される。いずれも階段状の基壇であるクリピーソーマまたはクリピース(κρηπίδωμα、ラテン語ではクレピドーマ)のうち、ステュロバーティス(στνλοβάτης、ラテン語ではスタイロベート)の上に円柱ステューロス(στύλος、ラテン語コルムナ)を載せる。イオニア式およびコリント式については柱基であるバーシス(βάσις)を設けて柱身を載せるが、ドーリア式はそのまま柱身を頂く。また、ドーリア式は、柱身に独特のふくらみであるエンタシス(έντασις)があるが、イオニア式とコリント式は通常エンタシスは設けない。いずれの様式も柱頭エピークラニオン(επίκρανυον、ラテン語ではカピトゥルム)に正方形の台座アバクス(άβαξ)があり、ドーリア式の場合はその下部に海胆を連想させたことから命名された円形のエキノス(έχινος、ラテン語ではエキヌス)が載る。イオニア式のエピークラニオンは渦巻き型、コリント式はアカンサスの葉を模したものとなっている。柱頭の上部はエンタブレチュア(梁)で、下部よりエーピスティーリオン(επιστύλιον、ラテン語ではエピスティリウム、現在はアーキトレーヴと呼ばれる)、トリーグリフォス(τρίγλυΦος)、ゲイーロン(γείσον、ラテン語ではコローナ、現在ではコーニスと呼ばれる)に分かれる。ドーリア式はトリーグリフォスの部分がメトーピ(μετόπη)と交互に配置され、メトーピには浮き彫り彫刻が施される。イオニア式の場合、トリーグリフォスの部分はゾフォーロスと呼ばれるが、古典期までの小アジアのイオニア式はこの部分が存在せず、エーピスティーリオンの上にゲイーロンが載る構造になっている。
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