ギリシア文字および同系の文字
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/08 16:04 UTC 版)
「頭音法」の記事における「ギリシア文字および同系の文字」の解説
フェニキア文字を借用したギリシア文字では、多少の違いはあるものの(例: ヘブライ文字のザインとギリシア文字のゼータ)、基本的には伝統的な文字名を引きついでいる。 子音のみを表記するフェニキア文字と異なってギリシア文字は母音も表記するが、たとえば「Α」についていうと、セム系の文字名「ʾalp」の最初の子音である声門閉鎖音「ʾ」を音素として持たないギリシア人がこれを「alp」と聞きとったために、頭音の原理によって「a」を表す文字として受け入れたと説明される。 ギリシア文字が元になっているコプト文字やアルメニア文字でも文字名称は引きつがれた。 ラテン文字の文字の名称はギリシア文字とは異なり、母音はそのまま、子音はその前後いずれかに「e」のような音を加えた簡潔なものに変更された。これにより、それまでの音素文字に存在した頭音の原理はついに滅んだ。 ルーン文字、オガム文字、キリル文字などでは新しくゲルマン語、ケルト語、スラブ語による名称がつけられた。たとえばルーン文字の最初の文字ᚠ(f)は *fehu「富」という名前であったし、キリル文字の最初の文字А(a)はазъ(アズ、一人称代名詞)という名前だった。これらの文字名称と表される音の間にも大部分は頭音の原理がなりたっている。
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