ガロ・イベロ・ロマンス祖語まで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/10 22:48 UTC 版)
「フランス語史」の記事における「ガロ・イベロ・ロマンス祖語まで」の解説
/kʲ/と/tʲ/が合わさり、/tsʲ/になった(今も単音とされている)。 /kt/ > /jt/. /ks/ > /js/. 最初の二重母音化(限られた方言のみ):/ɛ/と/ɔ/の二重母音化で強勢があり開放シラバスの/ie/と/uo/になった(後に/uo/ > /ue/)。ここでも口蓋音の前の閉音節で起き、後に同化する例も珍しくなかった。peior >> /pejro/ > /piejro/ >> 'pire' 「最悪の」やnocte > /nojte/ > /nuojte/ >> /nujt/ 'nuit'の例があるが、tertiu > /tertsˈo/ >> 'tierz'の例もある。 最初の子音弱化(ピレネー山脈周辺の狭い地域では起きなかった):母音に挟まれた子音に関わるチェーンシフト:有声閉音節や無声摩擦音は、有声摩擦音(/ð/、/v/、/j/)になり、無声閉音節は有声閉音節になった。注:/tsʲ/は(/k(eˌi)/や/tj/から来て)単音として発音し、/dzʲ/となったが、/ttsʲ/は(/kk(eˌi)/や/kj/から来て)二重音となり、従って有声音化しなかった。/r/の前の子音は、二重音化し、併せて/pl/ > /bl/となった。語末に/t/や/d/が来ると、次の母音は、二重母音化した。 /jn/、/nj/、/jl/、/ɡl/は(それぞれ俗ラテン語の/ɡn/、/nɡʲ/、/ɡl/、/kl/に由来し)/ɲ/と/ʎ/にそれぞれ変化する。 最初の強勢のない母音の喪失:声調化以前の/a/を除く声調間の(例えば強勢がない音節内部の)母音の喪失。(注:このことは同時に最初の子音弱化として起こり、個々の単語は、調和せずにそれ以前の変化の一例を示している。それ故にmanica > 'manche'となるが、granica > 'grange'となる。carricareは古フランス語の'charchier'か'chargier'になる。)
※この「ガロ・イベロ・ロマンス祖語まで」の解説は、「フランス語史」の解説の一部です。
「ガロ・イベロ・ロマンス祖語まで」を含む「フランス語史」の記事については、「フランス語史」の概要を参照ください。
- ガロ・イベロ・ロマンス祖語までのページへのリンク