カーンズ特許の有効性に対する自動車産業界の法的論議
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/15 07:18 UTC 版)
「ロバート・カーンズ」の記事における「カーンズ特許の有効性に対する自動車産業界の法的論議」の解説
自動車産業界が反論として持ち出してきた法的論議は、発明というものは独自性と新案性という基準に合致していると類推されるものでなくてはならないということであった。それらの中の1つが"自明でないこと(non-obvious)"である。フォード社は、カーンズの間欠式ワイパーには新規に開発された部品が何も使用されていないことから、特許は無効であると主張した。カーンズ博士は既存の部品を新しく組み合わせて独自のものを作り出しただけであるということが議論された。 カーンズの特許で使用されているRC回路の弛張型発振回路の類は、カーンズの特許が提出される10年前から存在していた。これは教科書の基礎電気(明滅するネオンサインへの電気供給のような)の項に掲載されていた。並列ワイパーの技術は自動車製造ですでに利用されており、これは1955年にクライスラー社から発表されていた。 フォード社の技術者テッド・デイキン(Ted Daykin)は1957年にワイパーの実験を行っており、吸気管から取り出したエンジンの負圧で作動するそれまでのワイパーに代わる電気モーターで作動するワイパーの設計を依頼された。彼は1963年にフォード社でカーンズ博士のデモンストレーションを見た技術者の中の1人であった。デイキンは、自身と同僚がタイミング装置を含む一連のワイパー関連装置を開発していたと主張した。その中の1人はワイパー用のバイメタル製タイマーを設計したが、作動温度に達するまで時間がかかりすぎ、うまく機能しなかった。デイキンは、カーンズ博士の発明に繋がるような何百人という技術者の先行する技術があったとも語った。
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