カハール体とGem
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 15:30 UTC 版)
詳細は「カハール体」を参照 典型的な核には、カハール体 (カハール小体、カハールボディ、Cajal body) またはコイル体 (coiled body) と呼ばれる1個から10個のコンパクトな構造が存在し、その直径は生物種や細胞種によって異なるが 0.2 µm から 2.0 µm 程度である。電子顕微鏡下での観察では、糸が絡まった球のような形状をしており、濃密な中心部 (foci) にはタンパク質コイリン(英語版)が分布している。カハール体はRNAのプロセシングに関する多数の異なる役割に関与しており、特に、核小体低分子RNA (snoRNA) や核内低分子RNA (snRNA) の成熟や、ヒストンのmRNAの修飾などに関与している。 カハール体に類似した構造として、Gem (Gem小体、Gems、Gemini of coiled bodies、Gemini of Cajal bodies) がある。その名前はふたご座 (Gemini) に由来し、カハール体との緊密な関係を表している。Gemはカハール体と似た大きさと形状であり、実際、顕微鏡下で視覚的に区別することはできない。カハール体とは異なり、Gemは核内低分子リボヌクレオタンパク質(snRNP) を含まないが、snRNPの生合成に関連した機能を持つSMN(英語版)タンパク質 (survival of motor neuron) を含んでいる。 電子顕微鏡による微細構造の解析によって、Gemとカハール体との差異はコイリンにあることが示された。すなわち、カハール体はSMNとコイリンを含んでおり、GemはSMNを含むがコイリンを含まない。
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