カイザー・ヴィルヘルム2世_(客船・2代)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > カイザー・ヴィルヘルム2世_(客船・2代)の意味・解説 

カイザー・ヴィルヘルム2世 (客船・2代)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/04/29 23:31 UTC 版)

カイザー・ヴィルヘルム2世
基本情報
船籍  ドイツ帝国
所有者 北ドイツ・ロイド社 (1903年-1917年)
 アメリカ海軍 (1917年-1940年)
建造所 フルカン・シュチェチン
改名 カイザー・ヴィルヘルム2世 (建造時)
アガメムノン (1917年)
モンティセロ (1927年)
経歴
進水 1902年8月12日
就航 1903年4月14日
最後 1940年にスクラップ
要目
総トン数 19,361 トン
長さ 215.9 m
22 m
主機関 蒸気エンジン
スクリュー2軸
旅客定員 1,888名
テンプレートを表示

カイザー・ヴィルヘルム2世SS Kaiser Wilhelm II)は、総トン数19,361 トン、速力23 ノットの北ドイツ・ロイド社所属の豪華客船であった。ドイツシュチェチンで建造され、完成したのは1903年の春である。

ドイツ船籍定期船

カイザー・ヴィルヘルム2世は大西洋横断定期船として計画された。非常に高速であり、1904年に東回り航路でブルーリボン賞を受賞した。第一次世界大戦が勃発する直前まで、ドイツ - ニューヨーク間の定期船として運航され、一般の乗客から有名人まで、幅広い層の乗客に対応していた。カイザー・ヴィルヘルム2世が西回り航路を航行していた1914年8月3日、間違ってコースを外れてイギリス巡洋艦に発見され、3日遅れでニューヨークに着くという事件が発生した。

徴用

第一次世界大戦の戦況拡大から復航を取りやめ、会社指示でニューヨーク停泊を続けていたがアメリカドイツに宣戦布告した1917年4月6日、カイザー・ヴィルヘルム2世はアメリカ合衆国政府に押収され、改修を受けた。カイザー・ヴィルヘルム2世は押収される以前にドイツ人船員に破壊工作をされており、ドイツが改修を行った跡もあったが、アメリカによる修理は順調に進んだ。

1917年8月、アメリカ軍はカイザー・ヴィルヘルム2世(USS Kaiser Wilhelm II)を徴用し、アガメムノン (Agamemnon) と改名して9月から輸送船として使用した。その時に輸送船として初めて行った航海ではフランスへも航行し、この任務は10月に終わった。その後も運航され続けたが、1917年11月9日ドイツの輸送船USS Von Steubenと衝突したが、損傷は激しくなく、数日遅れで乗船者を無事に輸送した。その後12月アメリカ合衆国に帰還し修理を受け、1918年1月に復帰。西部戦線へ兵士を輸送する任務を任された。

アガメムノンはドイツ潜水艦(Uボート)と遭遇することがたびたびあった。また、1918年秋にインフルエンザが流行ったことがあった。

アガメムノン

1918年12月ドイツが停戦宣言をすると、戦争は事実上終結した。アガメムノンは1918年8月までに9回の航海をし、42,000名の兵士を輸送した船舶となった。その後アガメムノンは8月に任務を解かれ、再び輸送船として使用するために一時的にアメリカ合衆国旧陸軍省に預けられ、1920年に改修が終了し1927年に再びモンティセロ (Monticello) と改名したが、客船として運航されることは二度となかった。

その後、輸送船として再び使用するのには老朽化しすぎていると見なした軍部は、モンティセロを1940年にスクラップとした。

外部リンク

記録
先代:
ドイッチュラント
ブルーリボン賞 (船舶)(東回り航路)保持船舶
1904年~1907年
次代:
ルシタニア



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「カイザー・ヴィルヘルム2世_(客船・2代)」の関連用語

カイザー・ヴィルヘルム2世_(客船・2代)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



カイザー・ヴィルヘルム2世_(客船・2代)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのカイザー・ヴィルヘルム2世 (客船・2代) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS