オートノミック・コンピューティング
オートノミック・コンピューティングとは、コンピュータシステムが自律することによって問題の処理解決を図る技術の総称である。2001年にIBMによって提唱された。
オートノミック・コンピューティングは人間の自律神経に着想を得て、その仕組みをコンピュータに応用しようとする試みであるといえる。環境や状況の変化への適応、負荷に対する善処などを、自律的(autonomic)に行うことができる。このため、コンピュータシステムが大規模化、複雑化しても、ユーザーの管理負担は比較的軽いままで済む。
IBMが提供している、オートノミック・コンピューティングを取り入れた製品としては、eServerやSMART(Self-Management and Resource Tuning)などがある。
参照リンク
オートノミック・コンピューティングとは - (日本IBM)
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オートノミックコンピューティング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/21 00:56 UTC 版)
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オートノミックコンピューティング(英: Autonomic Computing, AC)または自律型コンピューティングは、人間の自律神経のように、コンピュータが自律的に自己管理を行うという考え方、またはその技術の総称である。
名称
自律神経 (Autonomic nerves) より付けられた。「自律コンピューティング」、「自律型-」、「自律的-」などと訳されることもある。
概要
オートノミックコンピューティングは2001年3月にIBMにより提唱され、以下の4要素により構成されるとされる。
- 自己構成 (Self-configuring)
- 自己修復 (Self-Healing)
- 自己最適化 (Self-optimizing)
- 自己防御 (Self-protecting)
これらにより、複雑さを増した現在のコンピュータの構築・管理・運用に対して、変化への対応の迅速化、複雑さの低下、信頼性や可用性の向上などが実現されるとしている。なお、元々のプロジェクト名はプロジェクト・イライザ(Project eLiza)と呼ばれていた。
実際の範囲や技術は非常に広く、各製品(ハードウェア、ソフトウェア)のデフォルト値やインストーラーの改善から、最適化ツールの提供、不正侵入検知時のインターネット経由の自動更新による自己防衛、仮想化技術と連携したユーザー増加や障害発生時の自動のリソース移動(プロビジョニング)、更にはこれらを取り入れたデータセンターの提案まで、さまざまである。
IBMはオートノミック・コンピューティング・テクノロジー・センター(ACTC)を、2005年に日本の大和研究所内、2007年4月にインドのバンガロールにも開設した。
オートノミック・コンピューティングは1ベンダーだけでは実現できないため、IBMは 2003年4月にリファレンス・アーキテクチャーである「オートノミック・コンピューティングのアーキテクチャーに関するブループリント」と、Eclipseベースの「オートノミック・コンピューティング(AC)ツールキット」を発表し、OASIS、DMTFなどの標準化団体と協業し、2004年11月には富士通と自律型システム技術の標準化の協業を発表した。
ヒューレット・パッカード(HP)のhpユーティリティ・データ・センタ(Utility Data Center)や、サン・マイクロシステムズのN1などに相当すると考えられ、大手ベンダー間の標準化競争の側面もある。なおベンダーによっては自律型技術を搭載したコンピュータを、オーガニック(有機体)コンピュータと呼ぶこともある。
現在のクラウドコンピューティングやネットワーク・コンピューティングを、インフラ面で支える技術でもある。
関連項目
外部リンク
オートノミック・コンピューティングと同じ種類の言葉
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