オーケストラにおける首席奏者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 18:44 UTC 版)
「首席」の記事における「オーケストラにおける首席奏者」の解説
オーケストラにて、それぞれのセクション、楽器群、パートのリーダー的ポジションに用いる。首席奏者は、役割・役職であって、セクション内で「最もうまい奏者」を意味するわけではない。 弦楽器セクション ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスそれぞれに首席奏者がおかれ、それぞれのセクションの最前列に座り、トゥッティと呼ばれる他の全奏者に弓使い・音楽・タイミング等の細かい指示を出し、セクションをまとめあげる。他の首席奏者とも緊密に連携を取り合うことが求められ、またソロ部分があればソロを担当する。ヴァイオリン首席(別名「第1ヴァイオリン」)は、特別に「コンサートマスター」として、他のオーケストラ団員とは別枠で契約することも多い。 首席奏者の隣で演奏する、次席またはフォアシュピューラー(フォアシュピーラー)と呼ばれるポジションがある場合も多い。 管楽器セクション 首席奏者は、おおむね「主に1番パートを吹く奏者」を意味する。ソロ部分は第1パートに書いてあることが多く、したがってソロの多くを担当する(特殊楽器、持ち替え楽器はこの限りではない)。弦楽器同様、セクションのリーダーとして機能する。首席奏者不在時には首席以外の奏者が第1パートを担当し、その場合は首席代行などと称される。一般的に、首席奏者は第1以外のパートを演奏することは少ない(ヴァイオリンと異なり、例えば「第2フルート首席」等は、通例置かれない)。 弦楽器、管楽器問わず、首席奏者の他に、首席不在時に第1パートやソロを優先的に担当する副首席奏者がおかれることもある。 打楽器セクション 首席奏者は、ティンパニ奏者を指すことが一般的である。 首席指揮者と音楽監督 首席指揮者は、常任指揮者とほぼ同じ意味である。常任指揮者は複数人置かれている場合も多い。オーケストラと一定年数の契約を結んだレギュラー指揮者の筆頭格である。運営方針や人事にも、ある程度発言権を持ち、楽団の管理者的要素も持つ。音楽監督は、この権限がより強められた地位で、通常、どちらか片方のみが設置されている。首席指揮者が信頼を勝ち得た結果として、音楽監督に契約変更されるケースもある。
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