オヤビッチャとは? わかりやすく解説

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オヤビッチャ

学名Abudefduf vaigiensis 英名:Five-banded damselfish
地方名タネラーアブラウオセセラ 
脊椎動物門硬骨魚綱スズキ目スズメダイ科
色 形 長崎・日本・世界 住みか 3D

※出典:長崎県水産部ホームページ

特徴
沿岸岩礁サンゴ礁域に主に生息しているが、全長3cmほどの幼魚流れ藻につき表層生活している。何でも食べるが小動物を好む。夏に垂直な岸壁などに卵を産み付ける。雄は卵を守る。イソスズメダイ、シマスズメダイ、ロクセンスズメダイなどとよく似ているために混同されやすいが、ぶた上方黒点、尾柄上に黒斑尾びれの両黒帯がないことなどで区別する九州・沖縄地方では食べる。大型のものを煮付けフライにするとおいしい。

分布:千葉県以南インド西太平洋 大きさ:19cm
漁法:  食べ方:煮付けフライ

オヤビッチャ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/22 19:22 UTC 版)

オヤビッチャ
オヤビッチャ Abudefduf vaigiensis
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Perciformes
亜目 : スズキ亜目 Percoidei
: スズメダイ科 Pomacentridae
亜科 : ソラスズメダイ亜科 Pomacentrinae
: オヤビッチャ属 Abudefduf
: オヤビッチャ A. vaigiensis
学名
Abudefduf vaigiensis
Quoy & Gaimard, 1825
和名
オヤビッチャ
英名
Indo-Pacific sergeant
Sergeant major

オヤビッチャ (親美姫、学名:Abudefduf vaigiensis) は、スズキ目スズメダイ科に属するの一種。

分布

英名Indo-pacific sergeant(インドパシフィック サージェント、サージェントは下士官、軍曹に匹敵する地位の軍人の意味、転じてオヤビッチャ属を指す英名)[1]と呼ばれるように、インドー中央太平洋域に広く分布する。日本においては北海道南部以南の日本各地[2]に分布する。タイプ産地インドネシアワイゲオ[3]

形態

全長20cm[4]。背鰭は13棘12~14棘条(13が多い)、体側に5本のい横帯が入るのが特徴である。5本ある黒色横帯のうち、4番目の横帯については縁が背鰭の第1~第3軟条(まれに第4軟条)にかかる[3]。側線上方横列鱗数は通常5[3]。尾柄部には点はない[3]

地色は灰色だが、背中黄色を帯びる。地色は求愛期に青くなる。また、体の後ろ半分が黒い変異個体も知られている[1]

近縁種

オヤビッチャの近縁種としては何種かが知られている。1939年石垣島の個体をタイプ標本として記載されたシリテンスズメダイAbudefduf caudobimaculatusは長いことオヤビッチャの同物異名とされていたが、2017年にWibowoらにより再度有効種とされた[3]。尾柄部に二つの点があること、第4黒色横帯の縁が背鰭第3-7軟条にかかること、背鰭軟条数は11~13であること、側線上方横列鱗数は通常4、であることなどによりオヤビッチャと区別できる[3]。石垣島やそのほかの琉球列島からだけでなく、インドネシアセリブ諸島からも記録されていることから、西太平洋に広く分布すると考えられる[3]

また2018年には台湾からAbudefduf nigrimargoも新種記載されている。この種は体側の横帯のうち第2・第3横帯の上端は背鰭基部の鰭膜にまで達しないことや、第4暗色横帯は背鰭第6軟条の直下にあり、背鰭の被鱗域にまで達しないことなどで見分けることができる。その後日本からも報告され、アミメオヤビッチャの標準和名がついた[5]

海外ではこのほかオヤビッチャに似たスズメダイ科魚類としてAbudefduf saxatilis(大西洋産)やAbudefduf troschelii(東太平洋沿岸)が知られている。

生態

オヤビッチャの群れ

水深15m以浅いサンゴ礁域に生息する。卵は紫色で雄は卵の世話をする[1]。3cm以下の個体は流れ藻について生活するほか[1]、タイドプールでもよく見られる。成魚は大きな群れで見られる。

利用

オヤビッチャは食用魚であり、煮つけ、塩焼き、唐揚げなどにして食べられる[2]。美味である。また観賞魚としても飼育される[2]。しかしながら性格はややきつい[6]

名称

オヤビッチャの語源は諸説ある。

  • 「ビッチャ」は東北地方などで赤ん坊という意味で、親になっても赤ん坊のように小さい魚の意という説。
  • 沖縄方言が走ると言う意味の「アヤビッチ」から来ているという説。

別名

オヤビッチャの主な地方名としては以下のものがある。

アブラウオ(高知県須崎) [7]アヤビキ(奄美・古仁屋) [7]シマヤハギ(田辺) [7]セセラ(和歌山県和深) [7]タネラー(沖縄)[7] ビングシ (柏島)[7] マツウオ(和歌山県和深)[7]

脚注

  1. ^ a b c d 加藤昌一『ネイチャーガイドブック スズメダイ』誠文堂新光社、2011年7月28日。 
  2. ^ a b c 尼岡邦夫・仲谷一宏・矢部 衞『北海道の魚類 全種図鑑』北海道新聞社、2020年。 
  3. ^ a b c d e f g Wibowo, Kunto & Toda, Minoru & Motomura, Hiroyuki (2018). “Validity of Abudefduf caudobimaculatus Okada and Ikeda 1939 and synonymies of Abudefduf vaigiensis (Quoy and Gaimard 1825) (Perciformes: Pomacentridae).”. Ichthyol. res. 65(1): 78-91. 
  4. ^ オヤビッチャ”. 美ら海生き物図鑑. 美ら海水族館. 2022年1月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月17日閲覧。
  5. ^ Kunto Wibowo,Keita Koeda, Nozomu Muto Hiroyuki Motomura (2018). “Abudefduf nigrimargo, a new species of damselfish (Perciformes: Pomacentridae) from Taiwan”. Ichthyological Research 65:471–481. 
  6. ^ 『コーラルフィッシュ Vol.8』枻(えい)出版社、2007年1月30日。 
  7. ^ a b c d e f g 日本魚類学会 編『日本産魚名大辞典』三省堂、1981年4月8日。 

関連項目

参考文献

外部リンク




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