エードゥアルト・メーリケとは? わかりやすく解説

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エドゥアルト・メーリケ

(エードゥアルト・メーリケ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/03 01:11 UTC 版)

エドゥアルト・フリードリヒ・メーリケ
誕生 1804年9月8日
ルートヴィヒスブルク
死没 (1875-06-04) 1875年6月4日(70歳没)
シュトゥットガルト
職業 詩人
国籍 ドイツ
文学活動 ロマン派
ウィキポータル 文学
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エドゥアルト・フリードリヒ・メーリケ(Eduard Friedrich Mörike, 1804年9月8日 ルートヴィヒスブルク - 1875年6月4日 シュトゥットガルト)は、ドイツロマン主義詩人

生涯

ルートヴィヒスブルク生まれ。テュービンゲン大学神学を学んだ後、聖職者となり、ルーテル教会牧師となった。1834年ヴァインスベルク近郊のクレーファーズルツバッハの牧師に就任したが、その後、健康上の理由で辞職した。1851年、シュトゥットガルトの女学校カタリーネンシュティフトでドイツ文学の教授になり、1866年まで勤めた。その後もシュトゥットガルトに住み、その地で亡くなった。

作品

メーリケは、ルートヴィヒ・ウーラント(Ludwig Uhland)を中心とした通称シュヴァーベン派のメンバーだった。メーリケの詩『Gedichte(詩)』(1838年。第22版1905年)はほとんどが抒情詩でユーモラスなものが多い。しかし表現はシンプルで自然な言葉を使っている。『Lieder(歌集)』は形式において伝統的で、ゲーテのそれと比較された。さらにメーリケはいささかファンタスティックな『Idylle vom Bodensee, oder Fischer Martin und die Glockendiebe(ボーデン湖の牧歌、またはフィッシャー・マルティンと鐘泥棒)』(1846年[1]。第2版1856年)を書き、ギリシアローマの讃歌(Hymne)、頌歌エレジーアイディル(Idylle; 牧歌)の選集『Klassische Blumenlese(古典詞華集)』(1840年)、さらに、今なお人気の高い教養小説『画家ノルテン(Maler Nolten)』(1832年。第6版1901年)など、いくつかの小説・物語も書いた。代表作『画家ノルテン』は「一人の画家の運命を、恋愛感情の葛藤を通して描いたものである。・・・精緻な文章による心理描写に、独自のものがある」[2]。他の作品では、芸術と相容れない世界で芸術家が抱える問題をユーモラスに描いた中編小説『旅の日のモーツァルトプラークへの旅路のモーツァルト、Mozart auf der Reise nach Prag)』(1856年)がある。メーリケの『Gesammelte Schriften(全集)』は最初4巻で出版された。「時代離れしている感じ」のこの詩人は、「時代に鈍感だったというより、その不安と動揺の中にあって自分の詩世界をまもり、言葉のなかに持続するものを建てたところに、彼の面目がある」[3]。メーリケの詩には、フーゴ・ヴォルフをはじめ、ロベルト・シューマンヨハネス・ブラームスマックス・ブルッフアルバン・ベルクらが曲を付している。

日本語訳

  • 『メーリケ名詩集』宮下健三訳(大学書林、1964)
  • 『メーリケ詩抄』江原綱一訳(悦志堂、1966)
  • 『メーリケ詩集』森孝明訳(三修社、1993:改訂版、2000[4]
  • 『旅の日のモーツァルト』
    のち「旅の日のモーツァルト」(旧岩波文庫、1939)(束書房、1948)
  • 『画家ノルテン』手塚富雄訳(筑摩書房、1948)。のち『世界文学大系79 メーリケ・ケラー』に収録
  • 『美はしき別離』川崎芳隆訳(蒼樹社、1949)
  • 『宝の小筥』小野浩訳(羽田書店、 1950)。のち『宝の小箱』角川文庫
  • 『世界文学大系』(筑摩書房、1964)収録
    • 「シュツットガルトの皺くちゃ親爺」熊井一郎訳。
  • 『ドイツ・ロマン派全集 7 ハウフ メーリケ』(国書刊行会、1984)収録
    • 「シュトゥットガルトのしわくちゃこびと」小沢俊夫
    • 「イェツェルテの手」鈴木潔訳
  • 『小男フッエルメンライン』山崎省吾訳(独逸童話文学選集:増進堂、1944 )
  • 『手塚富雄全訳詩集 2』(角川書店、1971)、他にヘルダーリン、オーデ、エレギー、アイヒェンドルフ、レーナウ。

参考文献

脚注

  1. ^ 會津紳『ミューズの子とともに――近代ドイツ抒情詩論――』松籟社 1984、153-176頁。
  2. ^ 岡田朝雄・リンケ珠子『ドイツ文学案内 増補改訂版』朝日出版社 2000 (ISBN 4-255-00040-9)、273頁。
  3. ^ 手塚富雄・神品芳夫『増補 ドイツ文学案内』岩波書店 1993 (= 岩波文庫別冊3) (ISBN 4-00-350003-2) 、196頁。
  4. ^ 改訂版 メーリケ詩集”. 三修社. 2025年6月3日閲覧。 “訳出不可能な一篇を除いた、事実上初の全訳詩集です。”

外部リンク




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