エンゲージリング(婚約指輪)
ダイヤモンドを使った婚約指輪の一番古い記録は、15世紀頃のオーストリアにある。この頃からヨーロッパの貴族の間では、婚約の時にダイヤモンドの指輪を贈る習慣が流行しはじめた。19世紀以前までは、婚約指輪と結婚指輪の区別はなく、1本のリングに両方の意味合いがあったそう。今日のように、婚約指輪と結婚指輪を別々に贈る習慣になったのは、19世紀末頃からのこと。「ダイヤモンドの婚約指輪」が、今では常識となっているが、この習慣は20世紀初めのアメリカではじまった。南北戦争が終わった後の新興ブルジョア階級の中で流行しはじめたのだそうだ。しかしアメリカの一般市民の間でダイヤモンドの婚約指輪が流行し始めたのは、第二次世界大戦後。その後、流行はヨーロッパに広まり、日本では1970年代以降、急速に広まりを見せた。現在の「婚約指輪は給料の3ヵ月分」というのは、デ・ビアス社が当時の日本人の所得水準から割り出した広告の宣伝文句なのである。
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