エルムによる就航(2003年)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/11 00:09 UTC 版)
「東京客船」の記事における「エルムによる就航(2003年)」の解説
「ふじ」に見切りを付けた東京客船は代わりの船舶を探したが、適する船をなかなか見つけることができなかった。ようやく用船にこぎ着けたのが「エルム」であった。この船は宮城県で観光船として使用されており、その前は北海道の函館で漁船として使用されていたと言われる。揺れは「ふじ」より減ったと言われるが、速度が遅いため久里浜-岡田間の所要時間が2時間45分と旧船の倍近い所要時間となってしまった。 2003年3月にエルムを就航させて航路を再開させたが、東海汽船に対し就航率や所要時間では完全に競争力を失い、もはや有利な点は運賃のみという状態であった。乗客からは完全にそっぽを向かれた形となり、同年12月1日には航路休止となった。翌年には事務所も閉鎖され、2004年2月23日、定期航路事業廃止届を国に提出し受理された。運航末期は金・土・日のみ就航となり、それも僅かな海況の悪化でも欠航となっていた。2003年の利用客はわずか6830人であった。就航した海域は伊豆諸島周辺では比較的波が穏やかではあるが、それでも揺れが激しい海域である。海域の特徴を理解しないまま安易な用船で失敗したとも言える。 なお、東京客船の航路廃止後は東海汽船が横須賀市の求めに応じる形で土休日に限り1日1往復のジェット船が久里浜に寄港するようになった(夏期等休止期間あり)。所要時間は60分と東京客船より高速である。
※この「エルムによる就航(2003年)」の解説は、「東京客船」の解説の一部です。
「エルムによる就航(2003年)」を含む「東京客船」の記事については、「東京客船」の概要を参照ください。
- エルムによる就航のページへのリンク