エジプトの、石灰岩や陶器のオストラコン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/26 18:06 UTC 版)
「オストラコン」の記事における「エジプトの、石灰岩や陶器のオストラコン」の解説
古代エジプトでは、滑らかな表面を持つものならあらゆるものが書き物に使われた。通常は廃棄されるものであるためオストラコンは安価で簡単に手に入るので、メッセージ、レシピ、生徒の練習やノートといった一時的な性質の書き物にしばしば用いられた。陶器の破片、石灰岩の薄片、その他の岩石の薄い破片などが用いられたが、石灰岩の破片は薄片になりやすく色も明るいので最も一般的であった。オストラコンは大抵は小さなもので、数語だけ、もしくは小さな絵がインクで書かれていたが、デイル・エル・メディーナ(英語版)の職人センネジェムの墓には『シヌヘの物語』が刻まれた巨大なオストラコンがあった。 エジプト学ではオストラコンは極めて重要なものである。その物理的な性質とエジプトの気候とが相俟って、他の文明では失われてしまったような平凡で日常的なテクストが温存され、これらは図書館で保存されるような文芸的な論文の類よりも優れた日常生活の証言となることも多かった。
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