ウォールアイ I/II ERDL
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 03:49 UTC 版)
「AGM-62 (ミサイル)」の記事における「ウォールアイ I/II ERDL」の解説
ウォールアイ I/II ERDLは、それまでのウォールアイに双方向データ・リンク機能を備えたものである。最初のERDLのウォールアイ I がMk.21、ウォールアイ II がMk.23と呼ばれた。ERDLの訓練弾はMk.27であり、Mod.0,1,2がウォールアイ I型、Mod.3,4,5がウォールアイ II型であった。 それまでのウォールアイは、テレビ誘導という誘導方法の性質上、雲などで視界を妨げられて目標をカメラに捉えることができない場合、また、夜間で目標が闇に紛れていて目標以外のものと区別がつかない場合、目標をロックできないという欠点があった。雲による視界不良を避けるためには高度を下げて雲の下に出る必要があったが、ウォールアイの射程は滑空爆弾であるがゆえに航空機の高度に左右されるため、高度を下げると目標への接近を余儀なくされる。つまり、高度を下げるということはすなわち航空機が敵防空網の危険にさらされることを意味する。このため、ウォールアイは昼間の好天条件下でしかその真価を発揮することができなかった。 ウォールアイのデータ・リンクは、この問題を解決するために考案されたものであり、目標が見えていなくても、ロックオンしていなくても高高度から長射程で投弾可能である。投弾後に滑空中のウォールアイのカメラが捕らえた目標をデータ・リンクで転送し、それをパイロットがモニターする。目標が見えたときにロックし、同様にデータ・リンクでウォールアイに目標を指示するというものである。原理はかなり違うが、今で言うLOAL(発射後ロックオン)のはしりである。航空機側のデータ・リンクにはAN/AWW-9データ・リンク・ポッドを用いる(後にAN/AWW-13となる)。ただ、データ・リンク・ポッドの数には限りがあったため、すべての攻撃機が装備するというわけにはいかず、編隊のうちの1機だけがポッドを装備し、ほかの航空機が投弾したウォールアイとリンクして誘導することもよくあった。
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