ウィーン・フィルの弦楽四重奏団
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/02/20 08:18 UTC 版)
「ヴェラー弦楽四重奏団」の記事における「ウィーン・フィルの弦楽四重奏団」の解説
ウィーン・フィルを母体とするアンサンブルは、無数にあると言われる。その中でも、弦楽四重奏団では歴代のコンサートマスターが率いるロゼー弦楽四重奏団、シュナイダーハン弦楽四重奏団、バリリ四重奏団、そしてコンサートマスター以外の楽員によるウィーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団は、ウィーン・フィルの最高峰であるとともに、世界の弦楽四重奏団の最高峰とも言われた。いずれもウィーンの伝統である「ハウスムジーク(家庭音楽)」の親密さを根に持ち、ヴェラー弦楽四重奏団も、その伝統を引き継ぎつつも、みずみずしく古さを感じさせない演奏で、期待を集めた存在であった。 しかしこの伝統は、ヴェラー弦楽四重奏団を最後に終わってしまったと言われる。アルバン・ベルク弦楽四重奏団は、ウィーンを母体にしながらも現代音楽に積極的に取り組むなど、別の方向性を取り込んでいる(アルバン・ベルク弦楽四重奏団の第1ヴァイオリン奏者ギュンター・ピヒラーは大変な名手で、若い頃ウィーン・フィルのコンサートマスター(見習い)を務めているが、わずかの期間で退団している)。ゲルハルト・ヘッツェルやライナー・キュッヒルらウィーン・フィルのコンサートマスターの後任も、ヴェラーとはまた違った新しい方向性を取り込んでいる。さらに、アメリカのジュリアード弦楽四重奏団のように、高度に精密なアンサンブルを行い、現代音楽を得意とする団体の台頭により、「ウィーン・フィルのコンサートマスターが率いる団体は世界最高の団体のうちの1つ、少なくともウィーンでは最高峰である」という伝統は失われてしまったと言われる。
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