ウィーンの謝肉祭の道化とは? わかりやすく解説

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ウィーンの謝肉祭の道化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/24 17:35 UTC 版)

Faschingsschwank aus Wien

ウィーンの謝肉祭の道化』または『ウィーンの謝肉祭の騒ぎ』(独語:Faschingsschwank aus Wien)作品26 はロベルト・シューマンが1839年に作曲した全5曲から構成されるピアノ曲。「幻想的絵画」(Phantasiebilder)という副題が与えられている。同時期の作品に『フモレスケ』がある。

概要

シューマンは1838年の秋から翌1839年の3月にかけてウィーンに滞在していたが、同地では謝肉祭が行われており、その謝肉祭での体験に触発されたシューマンは、そこでの賑やかさなどの様子を幻想的に描写して本作を作曲した(なお、シューマンはこの曲を「ロマンティックなショーピース」と呼んでいた)。5曲のうちの4曲は滞在中の1839年(3月以前)に作曲され、最後の1曲はライプツィヒに帰郷した同年の3月以降(または1840年の初め頃)に書かれている。

出版は1841年にウィーンのブライトコプフ・ウント・ヘルテル社より。楽譜はシナモン・ド・シールに献呈された。

構成

全5曲で構成される。演奏時間は約23分。単なる描写的作品ではなく、シューマンは当初「ロマンティックな大ソナタ」と名付けようとしていたように、変則的で自由なソナタとしても見て取れる。

第1曲 アレグロ(Allegro
変ロ長調、4分の3拍子。「きわめて生き生きと(Sehr Lebhaft)」の指示。「アレグロ」とタイトルが付けられているが、速度を示すものではなく、楽曲の内容を表すものとして付けられている。フランス風のロンド形式による。5つのエピソードが挿入され、このうち第4のエピソードはフランス国歌の『ラ・マルセイエーズ』が一部用いられている。コーダは第2のエピソードによって閉じられる。
第2曲 ロマンス(Romanze
ト短調、4分の2拍子。「かなりゆっくりと(Ziemlich Langsam)」の指示。3部形式による。全体は25小節の短い楽曲だが、叙情的な旋律によって始まる。中間部はハ長調(4分の3拍子)である。
第3曲 スケルツィーノ(Scherzino
変ロ長調、4分の2拍子。「A-B-A-C-A」のロンド形式による。軽快なスケルツォで、明るい民謡風な旋律とリズムの主題が主要な動機となる。
第4曲 間奏曲(Intermezzo
変ホ短調、4分の4拍子。「大いに精力を込めて(Mit Größter Energie)」の指示。16分音符による音型的伴奏が装飾風に一貫して置かれた楽曲。書法はメンデルスゾーンの『無言歌』と似ている。
第5曲 フィナーレ(Finale
変ロ長調、4分の2拍子。「きわめて元気よく(Höchst Lebhaft)」の指示。ソナタ形式による。第1主題は激しい動きによるトッカータ風な音型。レガートの経過部の後、第2主題(ヘ長調)が現れ、展開部は第1主題を主体にして扱われる。コーダはプレストで力強く終える。

参考資料

  • 『作曲家別名曲解説ライブラリー23 シューマン』 音楽之友社、1995年
  • 『名曲事典 ピアノ・オルガン編』千蔵八郎 著、音楽之友社、1977年

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