インプレッシヴ症候群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/26 07:53 UTC 版)
「インプレッシヴ」の記事における「インプレッシヴ症候群」の解説
1980年代初頭、優秀なホルターの中に、一過性の脱力発作、筋硬直発作を示す馬が続発した。これらの馬は全てインプレッシヴの血を受け継いでいた。つまるところ、この発作、特有の筋肥大何れもインプレッシヴを始祖とする遺伝病、高カリウム性周期性四肢麻痺(HYPP)の症状の一つであった。 現在では、症状の緩和、発症メカニズムとも研究が進められている。HYPPは11番染色体上にコードされている、SCN4Aと呼ばれる遺伝子(細胞表面にあるナトリウムイオンチャンネルをコードする)に点変異が生じたことによって引き起こされている(具体的には骨格筋Naイオンチャネルα-サブユニット1421番目のアミノ酸残基がフェニルアラニンからロイシンに置き換わっている)。この変異タンパク質をもつ神経細胞の静止膜電位は-50mVと通常(-70mV)よりも高く、少しの刺激ですぐに筋肉が収縮する。筋肉は常に緊張下に置かれ、このためこの家系特有の筋肥大が起こる。症状が重篤な場合、循環器系の障害により死亡することもある。なお、2006年以降、徐々にこの遺伝子を持つ馬の登録に制限が設けられつつある。例えばアメリカン・クォーターホース協会は、ホモ接合個体の血統登録を拒否している(ホモ接合個体はより症状が重く短命)。
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