インパラとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 自然 > 生物 > 哺乳類 > ウシ科 > インパラの意味・解説 

インパラ【impala】

読み方:いんぱら

ウシ科哺乳類アフリカ分布する中形レイヨウ体高77100センチ。背は赤茶色。雄にだけ角があり、長さ5075センチに達する。跳躍力があり、走るのが速い

インパラの画像

インパラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/07 20:14 UTC 版)

インパラ
インパラ Aepyceros melampus
保全状況評価[a 1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 鯨偶蹄目 Cetartiodactyla
亜目 : ウシ亜目 Ruminantia
: ウシ科 Bovidae
: インパラ属 Aepyceros
Sundevall, 1847年
: インパラ A. melampus
学名
Aepyceros melampus
(Lichtenstein, 1812年)
和名
インパラ
英名
Impala
分布図

インパラAepyceros melampus)は、ウシ科に分類される偶蹄類に分類される哺乳類である。インパラのみで、インパラ属を構成する。

分布

A. m. melampus ケープインパラ

本種はアフリカ大陸の南東部に広く分布する。例えば、ウガンダ、ケニア、ザンビア、ジンバブエ、タンザニア、ボツワナ、マラウイ、南アフリカ共和国、モザンビーク、ルワンダといった地域である[1][2][a 1]

A. m. petersi アンゴラインパラ

本種はアフリカ大陸南部の限られた地域にしかいない。棲息地として、アンゴラ南西部、ナミビア北西部が知られる[1][2]

形態

体長は120から160センチメートル[2]。肩高は70から95センチメートル[2]。体重は40から80キログラム[2]。尾長は30から45センチメートルで[2]、尾の先端のみ体毛が房状に伸長する[2]。背面や上半身の体側面の毛衣は赤褐色で、下半身の体側面や四肢背面の毛衣は黄褐色である[1][2]。下顎や喉、胸部から腹部、大腿部の内側の毛衣は白い[1][2]。大腿部後部や尾背面に黒い縞模様が入り、後肢の蹄の上部後面に黒い房状の体毛が有る[1][2]。また、後肢の管骨後部には、臭腺(中足腺)を持つ[2]

耳介は先端が尖っている[2]。吻端は体毛で被われ、裸出した板状の皮膚(鼻鏡)が無い[2]。左右の第3指趾と第4指趾の蹄(主蹄)が、皮膚で連結されている[2]。第2指趾と第5指趾の蹄(側蹄)は無い[2]

オスにのみ竪琴形の洞角が有る[1][2]。角長は91センチメートルに達する[2]

  • A. m. petersi アンゴラインパラ

顔の中央に黒褐色の斑紋が入る[2]

分類

インパラはかつてブルーバック亜科に分類されてきた。しかし、分子系統学の見地より、独自のインパラ亜科に分類し直された。

インパラを6つの亜種に分ける説も有るが[1]、分布の境界線や形態などの定義は不明瞭であり、あまり解明されていない[2]

  • Aepyceros melampus melampus (Lichtenstein, 1812年) ケープインパラ
  • Aepyceros melampus petersi Bocage, 1878年 アンゴラインパラ、カオグロインパラ

生態

水辺のサバンナや落葉樹林などに棲息する[1][2]。乾季になると多くの場合で30頭から50頭程度の群れを形成し[注釈 1]、食物を求めて放浪する[2]

天敵としては、例えばライオンチーターヒョウハイエナリカオンなどのように、広範囲を移動して狩りを行う肉食の哺乳類が挙げられる。そのような肉食動物の接近などで危険を感じると、時々大きな跳躍を交えながら走って逃げる[2]。成獣の走行速度は時速60キロメートルに達し、跳躍は高さ3メートル、幅10メートルに達する[2]

食性は植物食であり、主に草を食べる[1][2]。ただし、木の枝、葉、花、果実なども食べる[1][2]

繁殖期になるとオスは縄張りを形成し、数頭のメスとハレムを形成する[2]。繁殖形態は胎生で、その妊娠期間は6ヶ月から7か月程度である[2]。1回に1頭の幼獣を産む[2]。寿命は約12年である[2]

なお、天敵として上記の肉食性哺乳類以外にもナイルワニなども挙げられ、稀にアフリカニシキヘビにも捕食される場合も有る。さらに、幼獣や亜成獣にとってはカラカルなどの小型の肉食獣や、ヒヒなどの雑食性動物も脅威となる。

保全状態評価

  • A. m. melampus ケープインパラ

LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))[a 1]

  • A. m. petersi アンゴラインパラ

VULNERABLE (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))[a 1]

脚注

注釈

  1. ^ ただし、200頭以上の群れを形成した事例も有る。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j 今泉吉典(監修) D.W.マクドナルド(編)『動物大百科4 大型草食獣』、平凡社、1986年、126、131頁。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac 今泉吉典(監修)『世界の動物 分類と飼育7 (偶蹄目III)』、東京動物園協会、1988年、58-59頁。

関連項目

外部リンク

  1. ^ a b c d The IUCN Red List of Threatened Species
    • IUCN SSC Antelope Specialist Group 2008. Aepyceros melampus. In: IUCN 2010. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2010.4.
      • IUCN SSC Antelope Specialist Group 2008. Aepyceros melampus petersi. In: IUCN 2010. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2010.4.
      • IUCN SSC Antelope Specialist Group 2008. Aepyceros melampus melampus. In: IUCN 2010. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2010.4.

インパラ

出典:『Wiktionary』 (2021/07/25 13:06 UTC 版)

名詞

  1. ウシ科鯨偶蹄類羚羊一種。雄のみ角があり、足が速く跳躍力も高い。

翻訳


「インパラ」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



インパラと同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「インパラ」の関連用語

インパラのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



インパラのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのインパラ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryのインパラ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS