イベリア語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 01:10 UTC 版)
イベリア語は、イベリア半島東部・南東部を中心とした地域で使われていた言語で、紀元前6世紀から前1世紀にかけての金石文に記録が残っている。その大部分は独自のイベリア文字で書かれており、20世紀半ば、マヌエル・ゴメス=モレノ (Manuel Gómez-Moreno) によって初めて完全に解読された:378, 380。 イベリア語とバスク語の系統関係を最初に明確に提案したのは、マヌエル・ララメンディ (Manuel Larramendi) である。彼は、1728年の La antigüedad y universalidad del Bascuenze en España で、イベリア語はバスク語の祖先であると主張した。この提案はパブロ・ペドロ・アスタルロア (Pablo Pedro Astarloa)、次いでヴィルヘルム・フォン・フンボルトに受け継がれた(Prüfung der Untersuchungen über die Urbewohner Hispaniens vermittelst der Vaskischen Sprache, 1821年):379。 この時点では、イベリア語の解読はほとんど進んでいなかったので、バスク語とイベリア語の系統関係が具体的に検討されることはなかった。1893年にエミール・ヒュブナー (Emil Hübner) が既知のイベリア語文献を公刊したことで解読は少しずつ進み始めた。フーゴ・シューハルトは1908年の Die iberische Deklination でイベリア語の格変化を再構成し、バスク語の格変化と比較し、対応関係を見出した。しかし、このシューハルトの主張はいくつかの理由から否定されている:379f.。 20世紀前半にはゲルハルト・ベーア (Gerhard Bähr) がバスク語とイベリア語の系統関係を支持する証拠はほとんど無いという否定的な見解を示す一方、イベリア語の解読に精力的に取り組んだピオ・ベルトラン (Pío Beltrán) はこの仮説を支持した。
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