アーマ・トーマスとは? わかりやすく解説

アーマ・トーマス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/18 00:51 UTC 版)

アーマ・トーマス
アーマ・トーマス (2006)
基本情報
出生名 Irma Lee
生誕 (1941-02-18) 1941年2月18日(84歳)
アメリカ合衆国 ルイジアナ州ポンチャトゥーラ
ジャンル R&B
ブルース
ソウル
職業 シンガー
活動期間 1959年 〜 現在
レーベル ミニット・レコードインペリアル・レコードラウンダー・レコード
共同作業者 マーシャ・ボールアラン・トゥーサン
公式サイト IrmaThomas.com

アーマ・トーマス(Irma Thomas, 1941年2月18日 - )は、アメリカ合衆国ソウルR&Bシンガールイジアナ州ニューオーリンズを代表するシンガーのひとりで、「ニューオーリンズのソウル・クイーン (Soul Queen Of New Orleans)の愛称でも知られている。

来歴

1941年2月18日ルイジアナ州ポンチャトゥーラで生まれる。誕生時の名前はアーマ・リーであった。トーマス姓は2番目の夫のものである。

1959年トミー・リッジリーの紹介でロン・レーベルと契約。「Don't Mess with My Man」でデビューし[1]、R&Bチャート22位のヒットを記録する[2]。しかし、ロンでは長続きはせず、バンディ・レーベルからシングル「Look Up」をリリースしたのち、ミニット・レーベルと契約する。ここで彼女はアラン・トゥーサンと出会う。トゥーサンは、彼女のプロデューサーを務め、また「It's Rainin'」、「Ruler Of My Heart」(オーティス・レディングが「Pain In My Heart」の名でカバー)などの曲を提供したのだった。ミニットで6枚のシングルをリリース後インペリアルがミニットを買収し、以後インペリアル所属となる。インペリアル時代には、「Wish Someone Would Care」がR&Bチャート17位を記録するなど[2]、いくつかのヒットが生まれている。また、ローリング・ストーンズがカバーした「Time Is On My Side」をレコーディングしたのもインペリアルでのことであった。

1967年、アーマはチェスと契約し、アラバマ州マッスルショールズの有名なフェイム・スタジオでのレコーディングを行う。3枚のシングルをリリースするもののヒットには恵まれず、チェスとの契約は終了する。

1969年ハリケーン・カミールから避難する形でカリフォルニア州へ移住する。70年代の初頭、コティリオン、キャニオンなどのレーベルからシングルを散発的にリリースし、また1973年には、ファンガス・レーベルからアルバム『In Between Tears』をリリースするものの、いずれも商業的には成功を収めることはなかった。

1976年に再びニューオーリンズに戻り、メゾンドソウル、RCSなどからレコードをリリースする。同年4月のニューオーリンズ・ジャズ&ヘリテッジ・フェスティバルでのライヴはレコーディングされ、『New Orleans Jazz And Heritage Festival 1976』としてリリースされた。また、80年代に入ると、夫エミール・ジャクソンとともにニューオーリンズ市内に自身のクラブ、ライオンズ・デンを開店した。

長い間、ヒットから遠ざかっていたアーマに転機が訪れたのは1986年ラウンダー・レコードと契約し、アルバム『The New Rules』をリリースする。以後、好調なペースで同レーベルからアルバムをリリースし続けている。1993年には初のゴスペル・アルバム『Walk Around Heaven』、1998年にはマーシャ・ボールトレイシー・ネルソンとの共作プロジェクト 『Sing It!』をリリースするなど、ラウンダーにおいては意欲溢れる作品が多い。1991年の ライヴ盤『Live: Simply The Best』では、初めてグラミー賞にノミネートもされた。

2005年ハリケーン・カトリーナで被災し、自宅と自身のクラブを失ってしまった。しかしながら、そのような状況下で新作『After The Rain』をレコーディングする。同作は、2006年のグラミー賞でコンテンポラリー・ブルース賞を受賞。アーマにとって、初のグラミー受賞となった。

被災後、アーマはニューオーリンズから避難し、一時的に郊外のゴンザレスに住んでいたが、公式サイトの情報によると、2008年現在、ニューオーリンズに戻っている。

ニューオーリンズ・ジャズ&ヘリテッジ・フェスティバルでは、2008年の公式ポスターに、アーマの図柄を採用した[3]

2009年、アーマのレコーディング・キャリア50周年を記念して、ラウンダー・レコードより新曲3曲を含む編集盤『The Soul Queen of New Orleans: 50th Anniversary Celebration』がリリースとなった。

来日公演

アーマの来日公演は下記の通り行われている[4]:

  • 初来日公演 (1987年:単独公演)
4月15日 東京青山CAY
4月17日 大坂バナナホール
4月19日 京都磔磔
  • ガンボ・ジャンボ・カーニバル (1991年)
9月24日 東京渋谷CLUB QUATTRO
9月25日 東京日比谷公会堂
9月27日 名古屋市公会堂
9月28日 京都磔磔
9月29日 東京日比谷野外音楽堂
  • 通算三度目の日本ツアー (2011年; 単独公演)
11月29日 大阪 ビルボードライブ大阪
12月1日 東京 ビルボードライブ東京
12月2日 東京 ビルボードライブ東京
  • 通算四度目の日本ツアー (2013年; 単独公演)
5月29日 東京 ビルボードライブ東京
5月30日 東京 ビルボードライブ東京

ディスコグラフィ

アルバム

  • 1964年Wish Someone Would Care』 (Imperial)
  • 1968年Take A Look』 (Imperial)
  • 1973年In Between Tears』 (Fungus)
  • 1976年New Orleans Jazz & Heritage Festival』 (Island)
  • 1978年Soul Queen Of New Orleans』 (Maison De Soul)
  • 1981年Safe With Me』 (Paula)
  • 1986年The New Rules』 (Rounder)
  • 1988年The Way I Feel』 (Rounder)
  • 1991年Live: Simply The Best』 (Rounder)
  • 1992年True Believer』 (Rounder)
  • 1993年Walk Around Heaven: New Orleans Gospel Soul』 (Rounder)
  • 1997年The Story Of My Life』 (Rounder)
  • 1998年Sing It!』 (Rounder) ※with Marcia Ball & Tracy Nelson
  • 2000年My Heart's In Memphis: The Songs Of Dan Penn』 (Rounder)
  • 2006年After The Rain』 (Rounder)
  • 2008年Simply Grand』 (Decca/Rounder)
  • 2013年For The Rest Of My Life / Forever Young』 (Swamp Island) ※シングル
  • 2014年Full Time Woman (The Lost Cotillion Album)』 (Real Gone Music) ※71-72年録音の未発表アルバム
  • 2021年Love Is The Foundation』 (Newvelle) ※LPレコードのみのリリース

編集盤

  • 1987年Breakaway』 (Stateside) ※インペリアル、ミニット時代
  • 1990年Something Good: The Muscle Shoals Sessions』 (MCA-Chess) ※チェス音源
  • 1992年 『Time Is on My Side: The Best Of Irma Thomas Volume 1』 (EMI-USA) ※インペリアル、ミニット時代
  • 1996年Sweet Soul Queen Of New Orleans: The Irma Thomas Collection』 (Razor & Tie) ※インペリアル、ミニット時代
  • 1996年 『Ruler of Hearts』 (Charly) ※ミニット、バンディ、アイランド音源
  • 2001年If You Want It, Come and Get It』 (Rounder) ※ラウンダー時代
  • 2005年Straight From The Soul』 (Stateside) ※インペリアル、ミニット時代
  • 2006年 『A Woman's Veiwpoint』 (Ace) ※ファンガス、キャニオン、RCSなど
  • 2009年The Soul Queen of New Orleans: 50th Anniversary Celebration』 (Rounder) ※ラウンダー時代
  • 2011年Soul Queen Of New Orleans』 (Charly) ※ロン、バンディ、ミニット、アイランド音源

ゲスト参加盤

  • 1989年Various Artists/New Orleans Jazz & Heritage Festival, 1976』 (Rhino)
  • 1991年 『Jimmy McCracklin/My Story』 (Bullseye Blues)
  • 1993年 『B.B. King/Blues Summit』 (MCA)
  • 2000年 『Various Artists/Rollin' into Memphis: Songs of John Hiatt』 (Telarc)
  • 2004年Various Artists/Christmas Gumbo』 (Flambeau)
  • 2005年 『Various Artists/I Believe To My Soul』 (Rhino)
  • 2005年 『Various Artists/Our New Orleans』 (Elektra/Nonesuch)
  • 2006年 『The New Orleans Social Club/Sing Me Back Home』 (Burgundy)
  • 2007年Various Artists/Goin' Home: A Tribute to Fats Domino』 (Vanguard)

参考文献

  1. ^ Irma Thomas Discography - USA - 45cat” (English). 45cat. 2025年2月18日閲覧。
  2. ^ a b Irma Thomas's Biography” (English). The History Makers. 2025年2月18日閲覧。
  3. ^ Jazz Fest 2008 - Art 4 Now” (English). Art 4 Now. 2025年2月18日閲覧。
  4. ^ 妹尾みえ date=2003-04-10, ed. “来日ブルースマン全記録1971-2002” (日本語). black music review 2003年5月号増刊号 (ブルース・インターアクションズ). 

外部リンク


アーマ・トーマス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/06 14:23 UTC 版)

ブレイクアウェイ (アーマ・トーマスの曲)」の記事における「アーマ・トーマス」の解説

1964年インペリアル・レコードよりシングル"Wish Someone Would Care"のB面としてリリースImperial 66013)。

※この「アーマ・トーマス」の解説は、「ブレイクアウェイ (アーマ・トーマスの曲)」の解説の一部です。
「アーマ・トーマス」を含む「ブレイクアウェイ (アーマ・トーマスの曲)」の記事については、「ブレイクアウェイ (アーマ・トーマスの曲)」の概要を参照ください。

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