アーマトーマスとは? わかりやすく解説

アーマ・トーマス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/13 04:26 UTC 版)

アーマ・トーマス
アーマ・トーマス (2006)
基本情報
出生名 Irma Lee
生誕
ジャンル R&B
ブルース
ソウル
職業 シンガー
活動期間 1959年 〜 現在
レーベル ミニット・レコードインペリアル・レコードラウンダー・レコード
共同作業者 マーシャ・ボールアラン・トゥーサン
公式サイト IrmaThomas.com

アーマ・トーマス(Irma Thomas, 1941年2月18日 - )は、アメリカ合衆国ソウルR&Bシンガールイジアナ州ニューオーリンズを代表するシンガーのひとりで、「ニューオーリンズのソウル・クイーン (Soul Queen Of New Orleans)の愛称でも知られている。

来歴

1941年2月18日ルイジアナ州ポンチャトゥーラで生まれる。誕生時の名前はアーマ・リーであった。トーマス姓は2番目の夫のものである。

1959年トミー・リッジリーの紹介でロン・レーベルと契約。「Don't Mess with My Man」でデビューし[1]、R&Bチャート22位のヒットを記録する[2]。しかし、ロンでは長続きはせず、バンディ・レーベルからシングル「Look Up」をリリースしたのち、ミニット・レーベルと契約する。ここで彼女はアラン・トゥーサンと出会う。トゥーサンは、彼女のプロデューサーを務め、また「It's Rainin'」、「Ruler Of My Heart」(オーティス・レディングが「Pain In My Heart」の名でカバー)などの曲を提供したのだった。ミニットで6枚のシングルをリリース後インペリアルがミニットを買収し、以後インペリアル所属となる。インペリアル時代には、「Wish Someone Would Care」がR&Bチャート17位を記録するなど[2]、いくつかのヒットが生まれている。また、ローリング・ストーンズがカバーした「Time Is On My Side」をレコーディングしたのもインペリアルでのことであった。

1967年、アーマはチェスと契約し、アラバマ州マッスルショールズの有名なフェイム・スタジオでのレコーディングを行う。3枚のシングルをリリースするもののヒットには恵まれず、チェスとの契約は終了する。

1969年ハリケーン・カミールから避難する形でカリフォルニア州へ移住する。70年代の初頭、コティリオン、キャニオンなどのレーベルからシングルを散発的にリリースし、また1973年には、ファンガス・レーベルからアルバム『In Between Tears』をリリースするものの、いずれも商業的には成功を収めることはなかった。

1976年に再びニューオーリンズに戻り、メゾンドソウル、RCSなどからレコードをリリースする。同年4月のニューオーリンズ・ジャズ&ヘリテッジ・フェスティバルでのライヴはレコーディングされ、『New Orleans Jazz And Heritage Festival 1976』としてリリースされた。また、80年代に入ると、夫エミール・ジャクソンとともにニューオーリンズ市内に自身のクラブ、ライオンズ・デンを開店した。

長い間、ヒットから遠ざかっていたアーマに転機が訪れたのは1986年ラウンダー・レコードと契約し、アルバム『The New Rules』をリリースする。以後、好調なペースで同レーベルからアルバムをリリースし続けている。1993年には初のゴスペル・アルバム『Walk Around Heaven』、1998年にはマーシャ・ボールトレイシー・ネルソンとの共作プロジェクト 『Sing It!』をリリースするなど、ラウンダーにおいては意欲溢れる作品が多い。1991年の ライヴ盤『Live: Simply The Best』では、初めてグラミー賞にノミネートもされた。

2005年ハリケーン・カトリーナで被災し、自宅と自身のクラブを失ってしまった。しかしながら、そのような状況下で新作『After The Rain』をレコーディングする。同作は、2006年のグラミー賞でコンテンポラリー・ブルース賞を受賞。アーマにとって、初のグラミー受賞となった。

被災後、アーマはニューオーリンズから避難し、一時的に郊外のゴンザレスに住んでいたが、公式サイトの情報によると、2008年現在、ニューオーリンズに戻っている。

ニューオーリンズ・ジャズ&ヘリテッジ・フェスティバルでは、2008年の公式ポスターに、アーマの図柄を採用した[3]

2009年、アーマのレコーディング・キャリア50周年を記念して、ラウンダー・レコードより新曲3曲を含む編集盤『The Soul Queen of New Orleans: 50th Anniversary Celebration』がリリースとなった。

来日公演

アーマの来日公演は下記の通り行われている[4]:

  • 初来日公演 (1987年:単独公演)
4月15日 東京青山CAY
4月17日 大坂バナナホール
4月19日 京都磔磔
  • ガンボ・ジャンボ・カーニバル (1991年)
9月24日 東京渋谷CLUB QUATTRO
9月25日 東京日比谷公会堂
9月27日 名古屋市公会堂
9月28日 京都磔磔
9月29日 東京日比谷野外音楽堂
  • 通算三度目の日本ツアー (2011年; 単独公演)
11月29日 大阪 ビルボードライブ大阪
12月1日 東京 ビルボードライブ東京
12月2日 東京 ビルボードライブ東京
  • 通算四度目の日本ツアー (2013年; 単独公演)
5月29日 東京 ビルボードライブ東京
5月30日 東京 ビルボードライブ東京

ディスコグラフィ

アルバム

  • 1964年 『Wish Someone Would Care』 (Imperial)
  • 1968年 『Take A Look』 (Imperial)
  • 1973年 『In Between Tears』 (Fungus)
  • 1976年 『New Orleans Jazz & Heritage Festival』 (Island)
  • 1978年 『Soul Queen Of New Orleans』 (Maison De Soul)
  • 1981年 『Safe With Me』 (Paula)
  • 1986年 『The New Rules』 (Rounder)
  • 1988年 『The Way I Feel』 (Rounder)
  • 1991年 『Live: Simply The Best』 (Rounder)
  • 1992年 『True Believer』 (Rounder)
  • 1993年 『Walk Around Heaven: New Orleans Gospel Soul』 (Rounder)
  • 1997年 『The Story Of My Life』 (Rounder)
  • 1998年 『Sing It!』 (Rounder) ※with Marcia Ball & Tracy Nelson
  • 2000年 『My Heart's In Memphis: The Songs Of Dan Penn』 (Rounder)
  • 2006年 『After The Rain』 (Rounder)
  • 2008年 『Simply Grand』 (Decca/Rounder)
  • 2013年 『For The Rest Of My Life / Forever Young』 (Swamp Island) ※シングル
  • 2014年 『Full Time Woman (The Lost Cotillion Album)』 (Real Gone Music) ※71-72年録音の未発表アルバム
  • 2021年 『Love Is The Foundation』 (Newvelle) ※LPレコードのみのリリース
  • 2025年 『Audience With The Queen』 (Thirty Tigers) ギャラクティックとの共作名義

編集盤

  • 1987年 『Breakaway』 (Stateside) ※インペリアル、ミニット時代
  • 1990年 『Something Good: The Muscle Shoals Sessions』 (MCA-Chess) ※チェス音源
  • 1992年 『Time Is on My Side: The Best Of Irma Thomas Volume 1』 (EMI-USA) ※インペリアル、ミニット時代
  • 1996年 『Sweet Soul Queen Of New Orleans: The Irma Thomas Collection』 (Razor & Tie) ※インペリアル、ミニット時代
  • 1996年 『Ruler of Hearts』 (Charly) ※ミニット、バンディ、アイランド音源
  • 2001年 『If You Want It, Come and Get It』 (Rounder) ※ラウンダー時代
  • 2005年 『Straight From The Soul』 (Stateside) ※インペリアル、ミニット時代
  • 2006年 『A Woman's Veiwpoint』 (Ace) ※ファンガス、キャニオン、RCSなど
  • 2009年 『The Soul Queen of New Orleans: 50th Anniversary Celebration』 (Rounder) ※ラウンダー時代
  • 2011年 『Soul Queen Of New Orleans』 (Charly) ※ロン、バンディ、ミニット、アイランド音源

ゲスト参加盤

  • 1989年 『Various Artists/New Orleans Jazz & Heritage Festival, 1976』 (Rhino)
  • 1991年 『Jimmy McCracklin/My Story』 (Bullseye Blues)
  • 1993年 『B.B. King/Blues Summit』 (MCA)
  • 2000年 『Various Artists/Rollin' into Memphis: Songs of John Hiatt』 (Telarc)
  • 2004年 『Various Artists/Christmas Gumbo』 (Flambeau)
  • 2005年 『Various Artists/I Believe To My Soul』 (Rhino)
  • 2005年 『Various Artists/Our New Orleans』 (Elektra/Nonesuch)
  • 2006年 『The New Orleans Social Club/Sing Me Back Home』 (Burgundy)
  • 2007年 『Various Artists/Goin' Home: A Tribute to Fats Domino』 (Vanguard)

参考文献

  1. ^ Irma Thomas Discography - USA - 45cat” (English). 45cat. 2025年2月18日閲覧。
  2. ^ a b Irma Thomas's Biography” (English). The History Makers. 2025年2月18日閲覧。
  3. ^ Jazz Fest 2008 - Art 4 Now” (English). Art 4 Now. 2025年2月18日閲覧。
  4. ^ 妹尾みえ, ed (2003-04-10). “来日ブルースマン全記録1971-2002” (日本語). black music review 2003年5月号増刊号 (ブルース・インターアクションズ). 

外部リンク


アーマ・トーマス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/06 14:23 UTC 版)

ブレイクアウェイ (アーマ・トーマスの曲)」の記事における「アーマ・トーマス」の解説

1964年インペリアル・レコードよりシングル"Wish Someone Would Care"のB面としてリリースImperial 66013)。

※この「アーマ・トーマス」の解説は、「ブレイクアウェイ (アーマ・トーマスの曲)」の解説の一部です。
「アーマ・トーマス」を含む「ブレイクアウェイ (アーマ・トーマスの曲)」の記事については、「ブレイクアウェイ (アーマ・トーマスの曲)」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「アーマトーマス」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

アーマトーマスのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アーマトーマスのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアーマ・トーマス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのブレイクアウェイ (アーマ・トーマスの曲) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS