アークとシールドガス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 01:48 UTC 版)
シールドガスはその名の通り溶融金属を大気から保護する目的もあるが、アークそのものになるという重要な機能がある。アークとはプラズマの一種とも言え、気体が高温下で電離したものである。シールドガスがアーク化することによって電子が空中を移動することができるようになるので、アークは絶縁体である空気とは異なり電気を通す伝導体であると言える。補足として、アークを「気化した金属」とする誤解が存在するが、前述の通り、アーク溶接におけるアークはガスが電離したものであるので、これは誤りである。 最初のアークは、最初に溶加材(溶接棒や溶接ワイヤのこと)が母材とスパークした瞬間に、その熱でシールドガスがプラズマ化することによって生じる。アークは電気を通すため、一度アークが生じるとアークを介して電気が流れるようになる。するとアーク自体が発熱し、周囲のシールドガスをイオン化する。アークはある段階まで成長すると一定の条件下で安定状態に入る。そのアークが溶加材や母材を溶融させていく。 シールドガスはアークを保護するとともに、アークそのもののベースである。従って、シールドガスの成分はアークの状態を大きく左右し、さらに溶接の結果に大きな影響を与える。特に二酸化炭素はアークの特性を大きく変化させる物質である。
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