アンリ・ルソーの理解者たち
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/28 07:55 UTC 版)
「洗濯船」の記事における「アンリ・ルソーの理解者たち」の解説
アンリ・ルソーは、生前はほとんど評価されることのなかった不遇の画家だが、1908年に「洗濯船」のピカソのアトリエで彼を励まし称える夜会が開かれたことが有名な逸話として残っている。きっかけは、ピカソがある日、マルティール通り(モンマルトル)の古物商スーリエ爺さんの店でルソーの『女性の肖像』(1895) を見つけ、わずか5フランで購入したことであった。ピカソは、以前から帝政ロシア(ポーランド)出身の米国人画家マックス・ウェーバー(フランス語版)(1807-1961) からルソーのことを聞いていたので、「洗濯船」の芸術家らを誘って、この絵とルソーのために盛大な夜会を開くことにした。「洗濯船」の芸術家らのうち、ルソーと付き合いがあったのはアポリネールだけだったので、彼がルソーを説得した。夜会にはピカソ、フェルナンド、アポリネールのほか、マックス・ジャコブ、マリー・ローランサン (1883-1956) など、モンマルトルのボヘミアンが多数参加した。当時の彼らの流儀で「面白いことになるぞ」と言って誘い合った。アトリエもルソーの絵も飾り立てられ、料理や酒もたっぷり振る舞われた。即興詩を吟じ合い、シャンソンを歌い、盛大な夜会になった。ルソーはピカソに、「私たち二人は現代の最も偉大な画家であり、あなたは古代エジプト的、私は近代的だ」と言ったという。ピカソは『女性の肖像』と、後に購入した『ランプと芸術家の肖像』(1902-03)、『ルソーの2番目の妻』(1093)、『平和のしるしに共和国に敬意を表して訪れた列国の代表者たち』(1907) の4作を生涯手元に置いていた。現在、この4作はピカソ美術館(パリ)が所蔵している。
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