アリとの共生関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 06:57 UTC 版)
「アカキア・ドレパノロビウム」の記事における「アリとの共生関係」の解説
伝統的にアカシア属とされてきた種で刺を有するもののうち約10パーセントは刺の基部が大きく膨張して虫こぶのようなものとなるが、これはアリによって誘導されたわけではないので真正の虫こぶとは言えないものである。アリたちは新しくて軟らかく緑色の「虫こぶ」の穴を噛んで内側を空洞にして小規模なコロニーを形成するが、この「虫こぶ」は時が経つにつれて暗い色となり、硬化して防御性も上がる。樹上のアリのコロニーは他の草食性昆虫を捕食をはじめとする攻撃的な手段で追い払い、キリンなど草食性哺乳類すらも攻撃する。 #特徴節でも触れたようにアカキア・ドレパノロビウムの場合は主にシリアゲアリ属のアリを樹上に棲まわせているが、これはアリにとってはシェルターが提供されている上に葉茎から蜜を分泌してコロニーを潤して貰っている状態である。アカキア・ドレパノロビウムはキリンに好まれるが、アリがキリンの顔や首にたかって刺すことでキリンは長時間1つの木ばかりを狙うことができず、食べ過ぎが抑制されている。こうした仕組みに関して生物学者たちは、蜜がアリにとっての「みかじめ料」の役割を担っているのでは、と考えている。なお、アカキア・ドレパノロビウムを防御するアリの種類に着目した研究も行われ、それによるとケニアでマサイキリンとアミメキリンがアカキア・ドレパノロビウムに近接している時間と食事の時間を計測したところ、Crematogaster mimosae が最も攻撃的で C. nigriceps がこれに次ぎ、別属(ナガフシアリ属(英語版))の Tetraponera penzigi は全くキリンたちを遠ざけた様子が見られなかった(Martins 2010)。 アリと共生する植物は本種の他にも何種類も存在する(参照: #関連項目)。
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