アラブ系の名前
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/05 14:28 UTC 版)
「ウズベキスタンの人名」の記事における「アラブ系の名前」の解説
8世紀にアラブ人がウズベキスタンを征服した際に名前として使われだした。中央アジアにおけるイスラム教支配は多くのムスリムの姓名を持ち込むこととなり、特にアラブ人、ペルシア人、ギリシア人 (イスカンダル) 、ヘブライ人の名前を起源とする名前が使用されるようになった。 イブラヒム (Иброҳим, Ibrohim、ロシア語ではアフラーム) ユースフ (Yusuf) イスマイール (Ismayil、ロシア語ではイズマイール) イスハーク (Исҳак, Is'hak、ロシア語ではイサーク) ヤクブ (Ёқуб, Yoqub、ロシア語ではヤコフ) ユーヌス (Yunus、ロシア語ではヨナ) イスラム教はテュルク系民族を起源とする名前よりも優勢となったが、テュルク系民族の名前が根絶されたわけではなかった。20世紀初頭時点において、ウズベク人の約5%がテュルク系民族由来の名前を使用していた。イスラム教由来の名前の多くは宗教的な考えやクルアーンの登場人物に基づいて名付けられている。一般的な名前としてはムハンマド (イスラム教の開祖ムハンマドに基づく)、ファーティマ (ムハンマドの娘)が使用されている。現在も広く使用されている名前には以下のものがある。 ムハンマドカリーム (Мўҳаммадкарим, Mo'hammadkarim) テュルスンムラード (Тўрсунмўрад, To'rsunmo'rad) また、名前の先頭にアブド (Abd、アラビア語で奴隷の意) を、後にアッラーフの99の美名を付加して「神の下僕」を表した名前も一般的である。 アブドゥラシード (Абдурошид, Abduroshid) - 知識人の奴隷 アブドゥラヒーム (Абдураҳим, Abdurahim) - 最も慈悲深き者の奴隷 アブドゥッラー (Абдулло, Abdullo) - アッラーフの奴隷 アブドゥラフマン (Абдураҳмон, Abdurahmon) - 全ての慈悲深き者の奴隷 また、名前の語尾に宗教や信仰を表す-din、もしくはアッラーフを表す-ullaが付いた名前も一般的である。 ヌルディン (ヌルッディン、Нуруддин, Nuruddin) - 信仰の光 サドルディン (サドルッディン、Саъдруддин, Sa'druddin) - 胸中の信仰 サイフディン (サイフッディン、サイーフッディーン、Сайфуддин, Sayfuddin) - 宗教の剣 イナヤトゥッラ (イナヤトゥッラー、Иноётулло, Inoyotullo) - アッラーフの慈悲 ファトフッラ (ファトフッラー、Fatҳullo, Fathullo) - アッラーフの勝利 これらの名前は、元々は高官などの身分の高い人間が使用する名前だった。 宗教的な名前に加え、特別な意味を持つ以下の名前も使用されている。 カリーム (カリム、Карим, Karim) - 寛容 マジド (マジード、Мажид, Majid) - 高貴 ウミード (ウミド、Ўмид, O‘mid) - 希望 高尚な考えや感情も名前に使用される。 アダラト (Adolat) - 公正 ムハバート (ムハッバト、(Мўҳаббот, Mo'habbot) - 愛
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