アマチュア無線での適用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/09 06:57 UTC 版)
アマチュア無線では、SWR計を用いて簡易的にアンテナのVSWRを測定し、アンテナの調整をしたりアンテナの状態を定期的に確認する事がおこなわれる。SWR計は方向性結合器、検波器、指示器 (メータ) で構成される測定器である。無線機から任意の送信電力でCW (無変調連続波) の試験電波を送信し、進行波電力と反射波電力をそれぞれ測定しこの比よりVSWR値を得る。 インピーダンスが純抵抗 (実数) 成分のみで構成される場合には、そのインピーダンスの比がそのままVSWRの値となる。例えば伝送線路の特性インピーダンスが 50 Ω、負荷のインピーダンスが 25 ΩであればVSWR = 2となる。伝送線路が 50 Ω、負荷が100ΩであってもVSWR = 2となる。これを利用して、SWR計の簡易な較正を行うことができる。 アマチュア無線では『SWRが高いと電波障害の原因になる』と言われることがあるが厳密には誤りである。電力のミスマッチにより送信機終段の動作状態が変わることで、高調波の発生量が大きくなることもあるが、そもそも、高調波の発生量は高調波の周波数におけるインピーダンスが大きく関わっており、空中線の高調波におけるインピーダンスが制御できない限り、基本波のVSWRのみに注力しても確実な改善にはつながらない。VSWRが高いと送信機終段のLPFが正常に動作しなくなり、高調波が放射されると言うのも誤りである。VSWRが良好な空中線であっても、それは送信周波数においてであり、高調波の周波数における空中線のVSWRは高いのが普通であり、送信周波数でのVSWRが高い低いに関係なく、高調波の減衰量は不定なのである。(注: フィルタの設計はその伝送系での整合負荷を前提として設計しており、ミスマッチによるリアクタンス分が負荷に含まれる場合は遮断周波数が変化することに注意)
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