アポロ計画後に関する提案
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 15:03 UTC 版)
「サターンV」の記事における「アポロ計画後に関する提案」の解説
キャンセルされたサターンVの改造案の中で最も実現性がありそうだったのは、第一段のエンジンをF-1Aに改造して、真の実力を発揮させるというものであったかもしれない。他にも一段目の翼を取り除いたり(これにより、わずかでも重量削減の効果がある)、より強力なF-1Asエンジンを使って第一段S-ICの全長を伸ばしたり、上段に改良型のJ-2sエンジンを使用するという案などがあった。 いくつか提出された変更案はサターンVに関するもので、その中にはS-ICの上に、S-IIを省いて直接S-IVBを搭載するというサターンINT-20案や、S-ICの両側にF-1エンジンを4基搭載した補助ロケットを2機取りつけ、総計13機のF-1エンジンで発射するというサターンV-23 (L) 案などがあった。 スペースシャトルは、当初はサターンVと提携して使用する輸送機として計画されていた。サターン・シャトルと呼ばれるこの計画では、シャトルは外部燃料タンクの代わりに、S-ICを改造したロケットに搭載されることになっていた。S-ICは2分間燃焼したあと切り離され、自力でケネディ宇宙センターに舞い戻り、シャトルのSRB(固体ロケットブースタ)のように整備され、再使用される。その後シャトルは、自らのメインエンジンで軌道に到達する。サターンで部品を運んで宇宙ステーションを建設し、補給船としてシャトルを使用することも検討されていたが、サターンVの次世代機の開発プランがなかったためにこの計画も立ち消えになり、アメリカの巨大ロケット開発の歴史は、ひとまず幕を閉じることとなった。アメリカの宇宙開発ファンはこの結果を悲しんだが、その後はスカイラブやミールの技術を流用して、アメリカとロシア両方の宇宙船がドッキングできる装置を備えた国際宇宙ステーション計画となって引き継がれてゆく。 サターンVは、無人火星探査計画や、原子力ロケット「NERVA(ネルヴァ)」の発射実験のために使用されることも計画されていたが、いずれもキャンセルされた。
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