油濁補償基金条約
【英】: international fund convention
通称基金条約または FC 条約、71 年条約と呼ばれている。油濁民事責任条約により、船主は油濁損害に対し、従来より過大な責任を課せられることになったのであるが、被害者側としては、船主の責任制限により十分に救済を受けることができないことになり、この救済を行うためには、国際的な基金制度を設けることが必要であるとの決議が、上記油濁民事責任条約採択時になされた。引き続き IMCO(現 IMO )により検討が進められた結果、1971 年ブラッセルで開催された外交会議において、「油濁損害国際補償基金条約」が採択されたものである。国際基金は、その財源を年間 15 万トン以上の油を受け取った者からの拠出金により形成され、油濁事故の被害者に対する補償と、実際に賠償を行った船主に対する補填{ほてん}を行う機能を持っている。(1) 被害者に対する補償:船主の責任制限額を超える損害額については、責任制限額を含めて最高 450 百万金フランまで補償する(ただし、貨幣価値の変動を考慮し、450 百万金フラン以上 9 億金フラン以下の範囲内で最高額の変更を決定できる。1985 年 7 月現在では 675 百万金フランである)。(2) 船主に対する補てん:油濁民事責任条約では、責任制限額が 1957 年条約の 2 倍に引き上げられたために、これを少しでも緩和する意味で船主に対し補てんが行われる。補てん額:条約トン数× 1,500 金フランまたは 125 百万金フランのいずれか低い額を超え、かつ条約トン数 × 2,000 金フランまたは 210 百万金フランのいずれか低い額を超えない部分。 |

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