やぎ座アルファ1星
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 01:20 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動やぎ座α1星 α1 Capricorni | ||
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やぎ座α星の画像。中央の明るい二重星のうち右側がα1星(DSS2)
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星座 | やぎ座 | |
見かけの等級 (mv) | 4.24[1] | |
位置 元期:J2000.0 | ||
赤経 (RA, α) | 20h 17m 38.8690959065s[2] | |
赤緯 (Dec, δ) | −12° 30′ 25.571594020″[2] | |
視線速度 (Rv) | -25.79 km/s[3] | |
固有運動 (μ) | 赤経: 21.800 ± 0.341 ミリ秒/年[2] 赤緯: 2.222 ± 0.268 ミリ秒/年[2] | |
年周視差 (π) | 3.7417 ± 0.1990ミリ秒[2] (誤差5.3%) | |
距離 | 870 ± 50 光年[注 1] (270 ± 10 パーセク[注 1]) | |
絶対等級 (MV) | -2.5[3] | |
やぎ座α1星の位置(丸印)
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物理的性質 | ||
半径 | 36.3 R☉[3] | |
質量 | 4.2 - 4.3 M☉[3] | |
表面重力 | 0.057 G[3][注 2] | |
自転速度 | 7.3 km/s[4] | |
スペクトル分類 | G3 Ib[5] | |
光度 | 820 L☉[3][注 3] | |
表面温度 | 5,119 K[3] | |
色指数 (B-V) | 1.07[1] | |
色指数 (U-B) | 0.78[1] | |
色指数 (R-I) | 0.53[1] | |
金属量[Fe/H] | -0.02[3] | |
他のカタログでの名称 | ||
アルギエディ・プリマ[6], プリマ・ギエディ, やぎ座5番星, ADS 13632, BD-12 5683, HD 192876, HIP 100027, HR 7747, IRC -10534, SAO 163422[2] | ||
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やぎ座α1星(やぎざアルファ1せい、α1 Capricorni、α1 Cap)は、やぎ座にある多重星である。年周視差から推定される、太陽からの距離は、およそ870光年である[2]。
名称
やぎ座α星には、アラビア語で「子(ヤギ)」を意味する”الجدي"("al-jady")からくるアルゲディ(Algedi)或いはギエディ(Giedi)という固有名がある[7]。アルゲディは、国際天文学連合によって、正式にやぎ座α2星の固有名と認められた[8]。一方、やぎ座α1星単独では、プリマ・ギエディ(Prima Giedi)と呼ばれることがある[2][9]。
特徴
やぎ座α1星は、やぎ座α2星を別にしても、四重星である。最初に発見されたのは、やぎ座α1星の南西にある10等星で、ジョン・ハーシェルが発見したとされる[10]。年周視差からすると、やぎ座α1星よりも3倍以上遠方の恒星である[11]。その後、バーナムは、それよりも近い位置で14等星を発見した。この恒星は、方位角も離角も急速に変化している[10]。更に、ヒッパルコス衛星の観測によって、北に0.65秒離れた位置に、8等星がみつかった[12]。この8等星は、やぎ座α1と連星を形成していると考えられている[13]。
やぎ座α1星は、見かけの等級が4.24、スペクトル型がG3 Ibの黄色超巨星で、このスペクトル型の標準星にも挙げられている[1][5]。やぎ座α1星は、質量が太陽の4倍以上、半径は太陽の36倍程度と推定される。組成は、元素によってばらつきがあるものの、ほぼ太陽と同程度である。やぎ座α1は、HR図上でケフェイド不安定帯に位置している。既に一度、汲み上げを経ているとみられ、不安定帯に侵入するのはこれが2度目と考えられる[3]。
脚注
注釈
- ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
- ^ 出典での表記は、
20h 17m 38.8690959065s, −12° 30′ 25.571594020″
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