まるぼり

デジタル大辞泉

まる‐ぼり【丸彫（り）】

読み方：まるぼり

１ 一塊の材料から像の全体を彫り出すこと。また、その彫刻。

２ 断面がU字形になるように彫ること。→薬研彫(やげんぼ)り

刀剣用語解説集

丸彫（まるぼり）

金工作品の中の一表現方法。目貫の製作方法は薬缶出し（やかんだし）とも呼ばれるように背後からの打出しと表面の打込みに微細な表面彫刻によって為されるを通常とするため、裏面には一般的に彫刻表現がなさず、単に槌目などの痕跡が残るのみである。ところがこの丸彫表現では、地金を裏から打ち出してするのではなく、一体の地金を彫り込んで塑像を造り上げる手法であるところから、通常の目貫とは裏面の構造が異なり、彫刻表現がまた地金そのものが肉厚である場合が多い。この技法の変形には、遅塚久則の作品にみられるような、裏面の一部に丸彫風の彫刻を施した例もある。