まつなみ (巡視艇・初代)とは? わかりやすく解説

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まつなみ (巡視艇・初代)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/27 14:07 UTC 版)

まつなみ
基本情報
建造所 日立造船神奈川工場[1]
艦種 特23メートル型PC[1]
前級 はたぐも
次級 まつなみ (35メートル型)
艦歴
計画 昭和45年[1]
竣工 1971年3月30日[1]
除籍 1995年2月3日
要目
満載排水量 59.00トン[1]
総トン数 84.00トン
全長 25.0 m[1]
最大幅 6.00 m[1]
深さ 2.80 m[1]
吃水 1.35 m
機関 CODOD方式
主機 ディーゼルエンジン×4基
推進 スクリュープロペラ×3軸
出力 2,200馬力
速力 20.3ノット
航続距離 270海里
乗員 10名 (平水では30名)
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まつなみ英語: JCG Matsunami, PC-53)は、海上保安庁が運用していた巡視艇。区分上はPC型、公称船型は特23メートル型[2]

来歴

昭和天皇生物学者として、海洋生物や植物の研究にも力を注いでいた。 このことから宮内庁では、1934年に天皇陛下の御採集船として木造の葉山丸を建造した。第2次世界大戦中には海軍兵学校に預けられる[3]。戦後は英豪軍が接収し瀬戸内海でヨットとして使用していたが、1949年に退役したあとは海上保安庁の管理下に入り、復元工事ののち、再び採集作業に使われるようになった。しかし老朽化もあり、1956年には、海上保安庁の23メートル型港内艇「むらくも」を改装、「はたぐも」と改称して、海洋生物採集船として用いるようになった[2]

しかし同艇も老朽化が進んだことから、昭和45年度計画で代船が建造されることになった。これが本艇である[2]

設計

アルミニウム合金製、没水部船型はV型であった。上部構造物は比較的大きく、前部には研究室と随員控室が配されていた。操舵室はそれらの後方に半甲板分高く設けられた。なお船尾にはトロールウィンチなどの採集設備が配置されていた[2]

主機関は「はたぐも」と同様にCODOD方式を採用しており、通常航行時には両舷の大主機を用い、採集作業時には微速航行用の小主機で中央軸を駆動する。なお中央軸はVドライブ式であった[2]。大主機は池貝-ベンツMB820Dbディーゼルエンジン2基(単機出力1,100馬力)、小主機はDA640ディーゼルエンジン2基(単機出力90馬力)であった[4][5]

参考文献

  1. ^ a b c d e f g h 「資料・海上保安庁」『世界の艦船』 通巻第379集、1987年5月号、海人社、1987年5月1日、93-108頁。 
  2. ^ a b c d e 「海上保安庁全船艇史」『世界の艦船』第613号、海人社、2003年7月、NAID 40005855317 
  3. ^ 宮内庁『昭和天皇実録第十一』東京書籍、2017年3月30日、103頁。 ISBN 978-4-487-74411-4 
  4. ^ Bernard Prezelin (1990). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 1990-1991. Naval Institute Press. p. 330. ISBN 978-0870212505 
  5. ^ 徳永陽一郎、大塚至毅『海上保安庁 船艇と航空 (交通ブックス205)』成山堂書店、1995年、162頁。 ISBN 4-425-77041-2 



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