はやぶさでの運用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/03 13:41 UTC 版)
「μ10 (イオンエンジン)」の記事における「はやぶさでの運用」の解説
打ち上げ後の運転開始当初は、探査機周囲に残っている大気の影響で放電現象が多発したため、探査機全体を暖めて脱ガスを行うベーキングを2回行った結果、安定して運転が行えるようになった。試験運転を続ける中でスラスタAを予備とし、残りの3台(スラスタB〜D)を使用することになった。 連続加速を続ける中で毎日追跡作業を行い、位置と速度の確認を行う。そして一定期間連続運転をするとμ10は一時その運転を停止し、連続運転時の動作履歴を高速通信する。それらの結果を踏まえてはやぶさの軌道計画を決定し、μ10の運転計画が作成される。当初の予定では、μ10の運転を続けながら軌道決定を行うことになっていたが、エンジンの推力が想定以上に変動が大きく、運転を続けながらの軌道決定が困難であったために、軌道決定時にμ10は一時停止する運用がなされることになった。 またμ10の運転に欠かせない電力は、探査機の太陽からの距離によって太陽電池の出力が大きく変化するため、μ10は出力の調整、そして運転台数を調整して運用を行った。
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