その他の酵素阻害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/05 06:31 UTC 版)
ジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ 抗癌剤である5-FUはジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼにより代謝されるが、抗ウイルス薬であるソリブジンもまた同一酵素により代謝を受けるため、5-FUの代謝阻害により血中濃度上昇をきたす。 モノアミン酸化酵素 ヒスタミンはオータコイドの一種であるが、食物中に含まれているヒスチジンが代謝されることで生成されることも知られている。ヒスタミンはモノアミン酸化酵素 (MAO) により代謝を受けるが、イソニアジドなどのMAO阻害薬の投与中には体内にヒスタミンが蓄積され、中毒をおこす。 レボドパ脱炭酸酵素 レボドパはドパミン前駆体であり、パーキンソン病の患者に線条体で不足したドパミンを補充する目的で用いられる薬物である。レボドパは脳に移行した後に代謝されて活性本体のドパミンへと姿を変える。ドパミン自体は血液脳関門を通過することができないため、レボドパのままで血液脳関門を通過することが薬効発現のために重要なわけである。ビタミンB6(ピリドキシン)はレボドパ脱炭酸酵素の補酵素になる分子であり、レボドパ脱炭酸酵素の活性が上昇すると末梢でレボドパが代謝されてしまうために脳内への移行量が減少し、薬効の減弱を招く。
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