実効再生産数
実効再生産数とは、実効再生産数の意味
実効再生産数とは、1人の感染者から何人に感染させるかを示す指標のことである。「Rt」の記号を用いる。例えば、実効再生産数が1の時(Rt=1)、1人の感染者からは1人に感染させることになる。この状態が続くと、感染者すうは増えも減りもしない。実効再生産数が1より大きい場合(Rt>1)は、今後感染が広がることを意味する。例えば、Rt=2であれば、1人の感染者から2人が感染することになる。その2人がまた感染させると4人になり、8人、16人とネズミ算式に増えていく。
一方、実効再生産数が1未満の場合(Rt<1)は、今後感染が収束していくことを意味する。例えば、Rt=0.3であれば、3人の感染者から1人が感染することになる。その次は9人の感染者から1人が感染することになり、感染者数は日々減少してく。
2020年に流行した新型コロナウィルス感染症の日本における実効再生産数は、2020年3月中旬はRt=1.85だったが3月下旬には0.84まで減少している。4月初旬には2.27まで増え、これまでの最高値を更新した。以降は減少に転じ5月中旬には0.5まで下がった。8月中旬から9月にかけては0.8~1.0前後を推移している。
じっこう‐さいせいさんすう〔ジツカウ〕【実効再生産数】
読み方:じっこうさいせいさんすう
感染症が流行している集団において、ある時点で、一人の感染者から二次感染する人数の平均値。再生産数が1を上回ると、一人の感染者が複数の人に感染させるため、流行は拡大し、1を下回ると、感染者数が減少し、流行は起きないか、収束に向かうと考えられる。R(effective reproductive number)。R(effective reproductive number)。
[補説] 基本再生産数が、その感染症に対する免疫を持っていない集団を対象とするのに対し、実効再生産数は、感染が流行中、あるいは、感染が広がって免疫を持つ人が増えている段階での、感染の広がりやすさを示している。感染症が広がると、時間の経過とともに、免疫を持つ人が増え、感染する可能性のある人の数は減っていく。結果として、再生産数は、感染の広がりとともに低下し、感染は収束に向かう。
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