首相臨時代理(しゅしょうりんじだいり)
国政の最高責任者である首相(内閣総理大臣)の職務は多岐にわたり、一時たりとも空白を作ることができない。しかし、首相が急病により入院したり、サミットに出席するなど海外へ出かけている間は、国政の機能が麻痺する事態にもなりかねない。
そこで、首相に事故のあるときや首相が欠けたときは、あらかじめ首相が指定する国務大臣が、首相の代わりにその職務を行うということが内閣法(第9条)で定められている。この規定に基づき指定された大臣のことを首相臨時代理と言う。
サミットなど首相が外遊するときには、必ず首相臨時代理を指定する。通常、有力閣僚や長老が就任することになっている。また、組閣当初から首相臨時代理を実質的に指定することがある。この場合に指定された国務大臣は、「副総理」と呼ばれる。
首相の病気を理由に置かれた首相臨時代理の例としては、1980年6月の大平正芳首相の死去がある。このときは、大平首相が入院中に指定した伊東正義官房長官が首相臨時代理を務めた。
(2000.04.04更新)
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