最大燃焼速度
【英】: maximum combustion potential
略語: MCP
燃焼ガスに固有な最大燃焼速度を示す燃焼性指標の一つ。 混合ガスの最大燃焼速度 MCP は、各成分ガスについての加重平均となり、以下の数式で表される。 MCP =(1-K)×{Σ(Si・fi・Ai)} / {Σ(fi・Ai)} Si:成分 i の燃焼速度 fi:成分 i にかかわる係数 Ai:ガス中の成分 i の体積百分率 K:減衰係数であって、下式により算出した値 K = {ΣAi / (Σαi・Ai)}×{(2.5CO2+N2-3.77O2) / (100-4.77O2)+[(N2-3.77O2)/(100-4.77O2)]2} αi:成分 i にかかわる係数 CO2,N2,O2:各成分の体積百分率 燃焼速度は空気比がある条件のときに最大値を示すが、この値(最大燃焼速度)は物質固有の値である。上式は、混合ガスの最大燃焼速度を算出するために、一次空気率、不活性ガスおよび各可燃成分相互の燃焼速度への影響を補正するためのものである。 この燃焼速度が燃焼性の範囲を逸脱すると、リフト(噴出ガス速度に比して燃焼速度が遅い場合に、火炎がバーナーより浮き上がる現象)やバック(噴出ガス速度に比して燃焼速度が速い場合に、火炎がバーナー管内に燃え戻る逆火現象)といった現象が生じ、安定した燃焼の確保が困難となる。 法的には、この MCP と、噴出熱量を示す指数であるウォッベ指数 WI(Wobbe index)を、法で定められる方法により測定・記録し、それらの値が供給約款で定められたガスグループの燃焼性の範囲内に入るよう調整・管理することが求められる。 (堀 和秀、2006 年 3 月) |

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