この修正条項で制限された具体例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/30 09:19 UTC 版)
「アメリカ合衆国憲法修正第22条」の記事における「この修正条項で制限された具体例」の解説
この修正条項は、前任大統領の任期残り期間が2年以上あったときに、これを引き継いで大統領もしくは大統領代行として執務した者は1回を越えて大統領に選ばれることを禁じている。修正条項の批准以降、この事情の下で2期以上務める可能性があった大統領はリンドン・ジョンソンただ1人である。ジョンソンは1963年にジョン・F・ケネディ大統領が暗殺された時に大統領となり、ケネディの残り任期1年と2か月を務め、1964年の選挙で大統領に選ばれた。ジョンソンが1968年の選挙にも出馬して選ばれていれば、新しい任期の最後には9年と2か月務めたことになったはずである(実際に務めた期間は5年と2か月だった)。修正条項は批准の時に現職であった大統領(ハリー・S・トルーマン)には適用されないとしていた。トルーマンはルーズベルトの4期目の残り任期を務め、続く1948年の選挙に出馬して大統領に選出された。1952年に3期目の選挙運動を始めたが、ニューハンプシャー州予備選の結果が思わしくなく出馬を取りやめた。この修正条項の批准以降これまで2期を完全に務めた大統領は、ドワイト・D・アイゼンハワー、ロナルド・レーガン、ビル・クリントン、ジョージ・W・ブッシュおよびバラク・オバマの5人である。 ジェラルド・フォードは1974年8月9日に大統領になり、リチャード・ニクソンの残り任期2年以上を務めた。このためフォードが1976年の選挙で勝っていたとしても(実際にはジミー・カーターに僅差で敗れた)、1回のみしか選ばれていないが、その次の選挙には出馬できなかったことになる。大統領の死または辞任後に大統領を継いだ後、2期完全に大統領として務めた副大統領はいない。セオドア・ルーズベルトはウィリアム・マッキンリーの任期を継いだ後、次の選挙で勝利し1期完全に務めた後に2期目を目指したが不成功に終わった。
※この「この修正条項で制限された具体例」の解説は、「アメリカ合衆国憲法修正第22条」の解説の一部です。
「この修正条項で制限された具体例」を含む「アメリカ合衆国憲法修正第22条」の記事については、「アメリカ合衆国憲法修正第22条」の概要を参照ください。
- この修正条項で制限された具体例のページへのリンク