クロイツフェルト‐ヤコブ‐びょう〔‐ビヤウ〕【クロイツフェルトヤコブ病】
クロイツフェルト・ヤコブ病(くろいつふぇると・やこぶびょう)
クロイツフェルト・ヤコブ病は、中枢神経系の疾患である。潜伏期間のあと発症し、特有の神経症状を引き起こす。脳が萎縮し、痴呆症状が急速に進むことが知られている。発症後2年以内に死に至る可能性がある難病である。
脳硬膜の移植手術を通じて、クロイツフェルト・ヤコブ病に感染すると見られている。脳の外科手術では、ヒト乾燥硬膜を脳に移植することがある。この硬膜は人間の死体から採取して医療用に用いる。硬膜提供死体がヤコブ病に汚染されていた場合、移植を受けた人も硬膜を通じて感染する。
ヤコブ病問題では、厚生省の責任が問われている。1988年時点で、乾燥硬膜が感染源になっている危険性を指摘されていたのに、適切な対応を取らなかった、という問題である。
輸入禁止などの行政措置を取っていれば、病気の発生を減らすことができたのではないか、と言われている。アメリカ合衆国では、発症が初めて報告された1987年時点で、米国疾病対策センターが汚染硬膜の廃棄を勧告した。対して、日本では、1997年まで何らの回収が行われなかった。
硬膜の移植手術を受けた人のうち、72人がクロイツフェルト・ヤコブ病を発症している。怖いことに、ヤコブ病には潜伏期間があるため、これから先も発症は増える可能性がある。
(2001.01.08更新)
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