がんカテーテル治療の今後の展望
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/01/23 19:43 UTC 版)
「がんカテーテル治療」の記事における「がんカテーテル治療の今後の展望」の解説
局所抗癌剤治療であること、また特にビーズはまだ新しい治療法ということもあって、エビデンスと言えるような医学的根拠はまだ少ない領域である。しかし肝癌を含めた複数の癌腫、臓器に対して、初期治療経験レベルであるが、既に複数のビーズを含めたがんカテーテル治療の臨床経験が報告されている(後述)。がんカテーテル治療は、標準治療の不応、不耐症例に対する緩和的局所抗癌剤治療と別称されるように、対象疾患や適応のタイミングが制限されている。本治療の臨床意義に関しては、今後さらなる検証が必要である。 従来TACEとビーズ(DEB)TACEとで、肝細胞癌治療の成績に差はなかった(PRECISION V)。しかし、進行した症例の場合、DEBのほうが奏功率は高い傾向だった 従来TACEで制御出来なかった肝細胞癌にDEBのTACEを実施したところ、同じ抗癌剤を用いたにも関わらず、新たに50%ほどの奏功率が得られた。従来TACEに無効となった症例に対してDEBは新たな治療戦略になりうる 従来の全身抗癌剤治療が効きにくくなった腎臓癌の肺転移に対して、抗癌剤を用いないビーズだけの塞栓術を行ったところ、45%の局所効果が得られた 2次治療が効かなくなった再発卵巣癌に対して、3次治療として抗癌剤とビーズを用いたTAIやTACEを実施したところ、治療部位は50%で縮小を認め、縮小した症例は明らかに生存期間が延長した
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