『海へ(I)』
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「夜」の初演後に「白鯨」と「鱈岬」が加えられて全3曲となった『海へ(I)』は、1981年5月31日、東京で開催された第9回「Music Today 今日の音楽」最終日のプログラム「水の風景」において、小泉浩のアルトフルートと佐藤紀雄のギターにより初演された。この日のプログラム「水の風景」は武満が水に因んで書いた作品を特集したもので、『雨の樹』、『ブライス』、『ウェイヴス(波)』、『海へ(I)』、『ウォーターウェイズ(水路)』が演奏され、このうち『雨の樹』と『海へ(I)』の2曲が初演であった。 音楽学者の柿沼敏江は『音楽芸術』1981年7月号誌上で以下のように作品を評している。 《海へ》は、三つの部分から構成されているが、いずれもギターの分散和音とフルートの穏やかで甘美なメロディによっている。調的なものが、よりいっそう大胆にとり入れられており、ロマンチックな内省的作品に仕上がっていた。 なお、初演者の小泉と佐藤は『海へ(I)』の作曲にあたって楽器の奏法について武満に助言を与えており、楽譜にはこのことに対する武満の謝辞が書かれている。
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