『此一戦』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/25 18:18 UTC 版)
明治44年(1911年)に博文館より刊行された日本海海戦を描いたルポルタージュである。明治38年(1905年)5月27日、東郷平八郎司令長官率いる連合艦隊は、当時無敵の艦隊として世界に名を轟かせたロシア・バルチック艦隊を日本海に迎え撃った。海軍大尉として従軍した水野は、日露両艦隊の戦力比較から丁字戦法、後に東郷ターンと言われた奇跡の敵前大回頭など、日本海海戦の実像を臨場感をもって記した。また戦闘の合間にある士官・兵卒の会話、バルチック艦隊の大遠征、秋山真之が敵艦に乗艦し降伏を受け入れる緊迫した場面などが克明に描かれている。当時のベストセラー作品であるが、常陸丸事件で降伏を拒否し自決した軍人を好意的に描き、その後の日本人捕虜観への影響が指摘される。
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