「賠償」と「補償」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/01 01:08 UTC 版)
「第二次世界大戦後におけるドイツの戦後補償」の記事における「「賠償」と「補償」」の解説
ドイツにおいては「補償」という意味合いで「ドイツ語: Wiedergutmachung」という語が用いられる。これは「再びよくする、償い、罪滅ぼし、よき状態を回復する」といった意味合いの言葉であり、不正や罪の償いという意味を含んでいるが、法的な意味での戦争責任とそれに対応する謝罪表明の意味合いは含まれていない。この言い回しは戦後になってもちいられたもので、一般に「ナチスによる不正に対する補償」を指し、1950年代以降の連邦共和国の戦後補償概念となっている。 「Wiedergutmachung」は、奪われた財産の返還と、個人補償(ドイツ語: Entschädigung)、二国間の協定による補償に大別される。「Wiedergutmachung」はアメリカ占領地域各州での補償法では用いられたが、完全な補償を与える意味ではないため連邦補償法などでは用いられていない。連邦補償法などで用いられるのは「Entschädigung」である。 「ドイツ語: Reparation」は一般にナチス不正ではなく「一般的な戦争犯罪」「戦争責任」に対する「賠償」と認識されている。ドイツの補償政策において賠償と補償は峻別されているが、これはナチスの不法という戦争犯罪の枠を超えたものの扱いと、東西分断のため平和条約を締結できなかったという事情がある。一方で、シュレーダー政権によって強制労働の一部が「賠償」の対象から「補償」の対象へ拡張された事例もある。
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