「覚醒剤」の表記
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 08:24 UTC 版)
この法律の制定当時は、内閣の法制執務の方針として、当用漢字表外の字(本件の場合は「醒」)を法令の題名や条文中で用いる際は用いず、その読みの平仮名(「せい」)で表記するとともに、その右横(縦書き)に一文字に一つ傍点「ヽ」を付する取扱いであり、この法律における「覚せい剤」も傍点が付された形で制定され、公布された。 もっとも、その後、内閣は傍点方式をやめたため、これ以降に制定された法令においては、この法律の一部改正部分も含め、傍点が省かれて単に「せい」と表記された。そのため、一つの法律の中に傍点の付く「覚せい剤」とそうでない「覚せい剤」が混在していた。 その後、「醒」の文字は、2010年(平成22年)の常用漢字表の改定において常用漢字となり、そのため、法令においても原則として「覚醒剤」との表記が使用されることになった。もっとも、かかる変更は固有名詞の表記に及ぶものではないため、法令などにおいて引用する場合には、引き続き「覚せい剤取締法」との表記が維持された。同法に規定されていた「覚せい剤」に言及する場合の表記については、「覚醒剤」と表記するケースと、引き続き「覚せい剤」と表記するケースがあり、統一されていなかった。 2019年(令和元年)12月4日、自己の疾病の治療の目的で、厚生労働大臣の許可を受けて医薬品である覚醒剤原料を携帯して輸出入することができるようにすることなどを趣旨とする、覚せい剤取締法の一部改正を定めた「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律」(令和元年法律第63号)が公布された。同法第4条で覚せい剤取締法の題名が「覚醒剤取締法」に改められたほか、附則で様々な法律の条文に混在していた傍点の付く「覚せい剤」とそうでない「覚せい剤」も、「覚醒剤」に改められた。同法は、2020年(令和2年)4月1日に施行された。
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