「国民」としてのドイツ人
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/15 05:59 UTC 版)
「ドイツ人」の記事における「「国民」としてのドイツ人」の解説
「ドイツ」を自称する国家の国籍を保有する人(国民)。現代においては、ドイツ連邦共和国の国籍を保有する場合を指すのが一般的である。この場合の「ドイツ人」は帰化した他国人・他民族も内包するために、民族主義的なドイツ人からは否定的に取られやすい。一方でドイツ統一の中心となったプロイセン王国のあったベルリンを中心とする「ブランデンブルク地域」は、西スラヴ系のポーランド人及びソルブ人とカシューブ人との雑居地であり、同王国では多くの「ポーランド系」プロイセン人が活躍(戦争論で著名なクラウゼヴィッツもポーランド系である)した。彼らの多くはポーランド系ドイツ人として独自のアイデンティティを残しながらも国籍を取得しており、そういう意味では帰化人の存在自体はドイツにおいて珍しい存在ではないと言える。また、フランス王国から迫害されて、ドイツに逃れてプロイセン王国のフリードリヒ2世に受け入れられ帰化し、ベルリンやフランクフルトなどに定住したユグノー派(カルヴァン派)のフランス系の人々も、「国民」としてのドイツ人に該当する。 このようにドイツの国籍保持者には、西スラヴ語群のソルブ語を話す少数民族であるソルブ人(例:元サッカー選手のミヒャエル・バラック)や、ポーランド系(代表的なのは、元サッカードイツ代表のエースであるミロスラフ・クローゼ、ルーカス・ポドルスキ、ピエール・リトバルスキーなど)、デンマーク系、オランダ系(ベートーヴェンなど)、フランス系のユグノーの子孫(東ドイツ最後の首相ロタール・デメジエールやドイツ連邦軍総監ウルリッヒ・デメジエールらを輩出したデメジエール家など)、ナチスによるホロコーストの影響で数は減ったがユダヤ人(例:フェリックス・メンデルスゾーン、ハインリヒ・ハイネなど。数千年の混血を経たユダヤ教徒を人種的にドイツ人と区別する考え方は否定されているが、ドイツ人と異なる民族集団として独自のアイデンティティを築いてきた)などがおり、国籍は有していない者が多いがトルコ人(例:サッカー選手のイルハン・マンシズ)など様々な民族が居住している。
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