「ゼークトの組織論」としての流布
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「クルト・フォン・ハンマーシュタイン=エクヴォルト」の記事における「「ゼークトの組織論」としての流布」の解説
日本では前述の“将校の4分類”は、同時期のドイツ軍人であったハンス・フォン・ゼークトのものであるとされて「ゼークトの組織論」なる軍事ジョークとして記述されていることがある。 何故“ゼークトの言”であるとされたのかについての経緯は定かではないが、一つに、日本においては戦争漫画家の小林源文の著作である『第2次朝鮮戦争 -ユギオII-』(初出『コンバットコミック』(日本出版社:刊)94年9月号~96年4月号掲載)の作中において 「(前略)再編成は フォンゼークト流に やるんですか」「(前略)ゼークトいわく 人間は4種類に大別できる 勤勉で頭のいい奴 なまけ者で頭のいい奴 勤勉で頭の悪い奴 なまけ者で頭の悪い奴(後略)」 と記述されており、この作品の初出は前述のハンマーシュタイン・エクヴォルトについての著作が日本で和訳・出版されるよりも前であったため、こちらの方で先に知られることになったと推定される。また、この作品中では前掲の部分に続けて 「軍隊は組織だ フォンゼークトは 組織論をいってるが その通りだ」 とあり、“ゼークトの組織論”という通称も直接的にはこの作品に由来するものと推定される。 日本では「愚鈍で怠慢なタイプ」について「兵卒に向いている」「連絡将校程度ならこなせるだろう」とされたり、「愚かで勤勉なタイプ」について「軍人にしてはならない」「無能な働き者は処刑するしかない」等の改変が加えられている例がある。前述の『第2次朝鮮戦争 -ユギオII-』の作中では 軍隊で一番必要なのは 勤勉で頭のいい奴 参謀に適任だ 勝つための戦術を 立案できる次になまけ者で 頭のいい奴 前線指揮官にすべきだ 必死で生き残るために 的確な指揮を するだろう次になまけ者で 頭の悪い奴 命令されたことしか できないが充分だ すべての障害を 打ちたおす最後に勤勉で 頭の悪い奴 そういうやつはさっさと 軍隊から追い出すか 銃殺にすべきだなぜなら 間違った命令でも 延々と続け 気がついたときは 取り返しがつかなく なってしまうからだ と書かれている。
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