“参りました”という言葉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/09 04:55 UTC 版)
「佐藤勝昭」の記事における「“参りました”という言葉」の解説
極真カラテの先輩でもある兄から「参りました、は絶対に言うな」ときつく言われていたので、勝昭はガムシャラに突っ込んでいく攻撃一本槍の組手に終始していた。参っていないのに「参りました」を口にするのは自分を放棄しているのも同然であり、相手に対しても無礼をしている事になる。だから、勝昭は「参りました」という言葉に嫌悪感を抱いていた。しかし、こんな勝昭でも「参りました」と一礼して頭を下げる事もあった。山崎や西田と組手した時である。顔面の突きや蹴りを、寸前で止めてくれる。勝昭には「もし、この突きや蹴りをまともに食ったら、自分は一発でのびてしまうだろう。それを両先輩はあえてしなかったのだ。未熟な自分を教えるのに、こういう方法を取るのが最善だと思い、寸前で止めてくれたのだ」という事が、山崎や西田の常日頃の態度から勝昭には推察がついていた。 勝昭は「こういう時に、素直に心の底から『参りました』という言葉が出てくるし、また自ずと頭も下がるのである。山崎・西田両先輩みたいな本当に強い先輩が強さだけでなく、自分の全人格を持って教えてくれる事に感動した。また、アメリカ遠征でチャールズ・マーチンと組手をした時にも、接近して縺れ合った時にチャールズが不意に後ろ回し蹴りを出してきたが、私の顔面の寸前で止めた。この時も自然に『参った』と一礼した。この『参りました』という言葉は、技の素晴らしさもさる事ながら、実は相手の人格に対して出るものなのである」と述べている。
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