獣拳戦隊ゲキレンジャー
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スーパー戦隊シリーズ | ||
第30作 | 轟轟戦隊 ボウケンジャー |
2006年2月 - 2007年2月 |
第31作 | 獣拳戦隊 ゲキレンジャー |
2007年2月 - 2008年2月 |
第32作 | 炎神戦隊 ゴーオンジャー |
2008年2月 - 2009年2月 |
獣拳戦隊ゲキレンジャー | |
---|---|
ジャンル | 特撮テレビドラマ |
原作 | 八手三郎 |
脚本 | 横手美智子 他 |
監督 | 中澤祥次郎 他 |
出演者 | |
声の出演 | |
ナレーター | ケイ・グラント |
音楽 | 三宅一徳 |
オープニング |
「獣拳戦隊ゲキレンジャー」 歌:谷本貴義、ヤング・フレッシュ |
エンディング |
「道(タオ)」 歌:水木一郎、ヤング・フレッシュ |
言語 | 日本語 |
製作 | |
プロデューサー | |
制作 | テレビ朝日 |
放送 | |
放送局 | テレビ朝日系列 |
音声形式 | ステレオ放送 |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 2007年2月18日 - 2008年2月10日 |
放送時間 | 日曜 7:30 - 8:00 |
放送枠 | スーパーヒーロータイム |
放送分 | 30分 |
回数 | 全49 |
公式サイト(テレビ朝日) | |
特記事項: 「スーパー戦隊シリーズ」 第31作 |
概要
本作品は、モチーフを中国武術と動物に置く[1]。「獣拳」と呼ばれる架空の拳法を題材にし、過去に袂を分かった正邪2流派の相克の中で、両派の拳士が「学び成長」していく姿を描いている[2]。敵側に戦隊側と同格の比重を持たせ並列に描写することにより、大河ドラマ的なストーリー展開を目指した作品である[3][4]。スタート時は3人編成の戦隊であるが、中盤から追加メンバーが加わり5人戦隊となる。戦隊メンバーは正義の流派「激獣拳ビーストアーツ」が組織したスポーツメーカー「スクラッチ」に所属し、敵対する邪悪な流派「臨獣拳アクガタ」は悪の組織「臨獣殿」として暗躍する。物語はゲキレンジャーの活躍により、獣拳の流派が1つに戻るまでを描くため、戦隊の5人、敵側の3人が主人公格の登場人物となる。
「過去の因縁」を感じさせるストーリー展開や[5]、本作品ではトラックスーツ的なベルトのない戦隊スーツをシリーズで初めて採用する[6][注釈 1]など、随所にカンフー映画の影響が見られ、アクションは等身大の戦闘に加え、巨大戦においても肉弾戦を主にする格闘がメインとなる[7]。また巨大戦時には、登場人物によるプロレス中継的な実況が加わる演出が採用された。
玩具展開の主力となる巨大戦の戦隊ロボは、動物の姿を模したアニマルモチーフであり、スポーツ用品をデザインに取り入れている[8]。次々と新たな機体が合体を繰り返し合体数を増していく近年の作品と異なり、3体合体を基本とし、追加パーツ的な4体目を戦闘形態に合わせて選び付け替える「換装型」の合体形式をとる。
チーフプロデューサーの塚田英明を中心にした若手の多い制作陣による、「カンフー映画であり少年漫画」をコンセプトとした[5]、様々な実験的な試みが行われた作品だったが、視聴率および商業面は振るわず、特にバンダイの玩具売上は近年にない落ち込みを記録した[9]。
作品テーマ
制作側が作品に込めたメッセージは2点ある。1つは「高みを目指して、学び、変わる!」というキャッチコピーにもあるとおり、「学ぶ」ことであり、そしてそれによって変化を恐れずに「変わる」ことの大切さである。そしてもう1つが「受け継ぎ、また渡していくこと」の重要性である。この2つはプロデューサーの塚田が「人生において大切」だと考えるテーマでもある[4]。
全ての黒幕だったロンはドラゴンそのものであり、彼の獣拳「幻獣ドラゴン拳」は戯れにそう名乗っているだけで、修行で会得したものではなく、もともと自己の持つ能力だった。生まれつき完成された能力を持ったロンには「学び変わる」という要素がなく、それゆえに退屈な時間を紛らわすために世界を滅ぼすことを思いついたとされ、日々学び成長していった主人公たち獣拳使いとは対照的な「キャラクター設定」となっている[10]。
また、作品中で主人公たちは師匠から修行を受け様々な技を学び受け継ぐ。最後の敵を倒す最終奥義もまた、敵側の師匠からの修行によって学び受け継いだものである。平和になった世界でジャンたちは、獣拳を学ぶ子供たちから「マスター」と呼ばれる存在へと成長している。次代の獣拳を担う子供たちへの指導を行うランやレツに見送られ、世界中の子供たちへ獣拳を伝え「慟哭丸」の封印を守る役目を託せる人材を探すためにジャンは旅立つ[11]。首に慟哭丸をぶら下げて旅するジャンは、異国の街の路地裏で幼少期の理央に似た少年と出会う。その少年に「おまえも獣拳――やるか?」とジャンが問いかけたところで、本作品は終了する。受け継いだものを次世代に渡していくという制作側のメッセージが込められた最終回となっている[4]。
注釈
- ^ ベルトがないデザインの戦隊はシリーズで唯一である[6]。
- ^ 中盤からは戦隊の補佐を務める真咲美希も同格の扱いのテロップ表示でキャスト紹介された。
- ^ 前作までの歴代メンバーの中で精神年齢が最も低く、スタート時は4 - 5歳程度である。
- ^ 本作品におけるゲキビーストおよび合体後の巨人は、厳密には「ロボット」に該当しないが、シリーズの慣例により「ロボ」という表記を用いる。
- ^ スーパー戦隊シリーズの戦隊側のデザインは、番組の主要スポンサーでもある玩具会社側の主導で行われ、プレックスとバンダイボーイズトイ事業本部の担当者が案を詰め、それを基に東映と詳細を検討していく形をとる。近年は東映側のプロデューサーが若手になってきたこともあり、デザインの早い段階から意見の調整が行えるようになり「玩具のギミックが、物語と密に関係しているような作り方」ができるようになったという[27]。
- ^ ゲキレッドのスーツアクターを務めた福沢博文は、後年のインタビューで自身が演じた戦隊レッドの中でベルトのないゲキレッドが第一印象のインパクトが大きかったと述べている[25]。
- ^ ゲキゴリラがローラーブレード、ゲキペンギンがスケートボード、ゲキガゼルがインラインスケートをモチーフとしている[30]。
- ^ バンダイデザイナーの野中剛は、イメージソースとして自身が幼少期に遊んだロボット玩具「火星大王」および「スーパーロボット大回転」も挙げている[33]。
- ^ それぞれ、エレハン・キンポーはサモ・ハン・キンポー、バット・リーはジェット・リー、シャッキー・チェンはジャッキー・チェン、ゴリー・イェンはドニー・イェン、ミシェル・ペングはミシェール・キング、ピョン・ピョウはユン・ピョウのもじり。
- ^ この他設定上では、レッドは「ゲキトンファー・バトン」を使用することになっていた。
- ^ 後述の変身アイテム、サイブレードを武具として使用することのほうが多い。
- ^ スーパーゲキクローと合体させた「スーパーサイブレード」という形態にもなる。
- ^ 『エレハン・キンポー』役は『サモ・ハン・キンポー』の水島裕など。
- ^ 修行その45,49ではゲキレッドのスーツアクターを担当している[44]。
- ^ 修行その49ではゲキイエローのスーツアクターを担当している[44]。
- ^ 修行その49ではゲキブルーのスーツアクターを担当している[44]。
- ^ 修行その22、23では「謎の男」とクレジットされていた。
- ^ 修行その49ではゲキバイオレットのスーツアクターを担当している[44]。
- ^ 修行その27では「帰ってきた男」とクレジットされていた。
- ^ 修行その49ではゲキチョッパーのスーツアクターを担当している[44]。
- ^ 修行その47,48では黒獅子リオのスーツアクターを担当している[44]。
- ^ 修行その49ではロンのスーツアクターを担当している[45]。
- ^ 修行その10では「もののけの声」とクレジットされていた。
- ^ a b c 修行その19では「マスター・トライアングルの声」とクレジットされていた。
- ^ a b c 修行その1では「三拳魔の声」とクレジットされていた。
- ^ 修行その10,11では「空の拳魔の声」とクレジットされていた。
- ^ 修行その15では「海の拳魔の声」とクレジットされていた。
- ^ 修行その22では「大地の拳魔の声」とクレジットされていた。
- ^ 修行その1,49では「少年」とクレジットされていた。
- ^ 本人役。
- ^ 『獣拳戦隊ゲキレンジャー』エンディング振付担当。
- ^ 修行その39では「拳士」とクレジットされていた。
- ^ 最終回(修行その49)はイントロ部分のみで、スタッフクレジットなし。また、オープニングナレーションが変更されている。
- ^ ただし、系列遅れネット局やDVDでは通常の映像に差し替え。
- ^ 『五星戦隊ダイレンジャー』の同名挿入歌とは別曲。
- ^ 2007年6月17日は「第107回全米オープンゴルフ選手権大会」3日目放送のため休止。
- ^ 2007年7月1日は「第65回全米女子オープンゴルフ選手権大会」3日目放送のため休止。
- ^ 2007年12月30日は「冬だっ! 休みだっ!! クレヨンしんちゃん&ドラえもん! 朝からどドーンと150分SP」放送のため休止。
- ^ バンダイデザイナーの野中剛は、前者について玩具での修行ギミックと番組の放送内容との時間間隔のズレが生じたことを、後者について安全性のため電動ギミックの速度が調整され劇中イメージに見合わないものとなったことをそれぞれ問題点として挙げている[33]。
出典
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