特定家庭用機器再商品化法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/16 02:30 UTC 版)
目的
本法の目的は特定家庭用機器の小売業者・製造業者等による特定家庭用機器廃棄物の収集・運搬・再商品化等に関し適正・円滑な実施のための措置を講ずることにより、廃棄物の減量・再生資源の十分な利用等を通じて廃棄物の適正な処理・資源の有効な利用の確保を図り生活環境の保全・国民経済の健全な発展に寄与することにある(1条)。
対象製品
- チューナーを内蔵していないモニターや、電池式(蓄電池を含む)の液晶テレビ(カーテレビ、携帯テレビ)などは対象外。また、パソコンのディスプレイ(CRTおよび液晶)はこの法律ではなく資源有効利用促進法(パソコンリサイクル法)の対象となる。
すべて、業務用として製造・販売されている製品は対象外[1]。
以上の家電を、特定4品目と呼ぶ。
上記対象品目については、法施行前は自治体(市町村)で粗大ゴミとして回収・処理がされていたが、施行後は自治体で回収しなくなった。
リサイクル率の目標
家電リサイクル率の目標は、正式には「再商品化率」と呼ばれ、再資源化されたモノのなかでも有償で引き取られるものに限ってその値に計上している。法施行当初は50~60%を目標としていたが、徐々に目標率が高められ、現在は70~80%に設定されている(ただし、ブラウン管式テレビは55%のまま)。
リサイクル料金
リサイクル料金はメーカーにより料金が変わる。概して大手メーカは安く、指定法人に委託の中小メーカは高い傾向にある。
メーカによっては、事業再編や社名の変更などで製造時点の社名と現在のリサイクルを行う社名が異なる場合もあり、さらに複数の製造業者が同一のブランド(ロゴマーク)を使っていた製品があるなど事情が複雑化しているため、ここでは各社の区分や料金については記載しない。
なお現存しないメーカ、公式リストにないメーカ(かつて販売されていたミシンメーカのテレビや冷蔵庫、洗濯機など)も「指定法人(その他)」の扱いになる。
業者コードによる「A」と「B」の区別の仕方:例として「東芝ホームアプライアンス」(113)は「1」から始まるので「Aグループ」、「ソニー」(340)は「3」から始まるので「Bグループ」である「B」グループは「3.5.9」から始まる
近年の銅価格高騰により銅が多く使われるエアコンは、2007年4月1日と2008年11月1日にそれぞれ500円(消費税込み525円)の値下げが行なわれた(ヤンマーエネルギーシステム株式会社を除く)。
2008年11月1日より一部のメーカではブラウン管式テレビと電気冷蔵庫・冷凍庫はサイズを2種類に分け、小サイズ(テレビは15インチ以下、冷蔵庫は170リットル以下)の料金を値下げ(サイズ区分をしないメーカー品は小サイズでも価格は同じである)。
回収率の目標
2015年から使用済み家電四品目の回収率(収集率)の目標が設定された。四家電全体で2018年に56%とするという目標である。現在、この目標は達成されたが、エアコンの回収率が4割に満たないことから、エアコンの回収率向上策などが検討されている。
- ^ 「対象廃棄物(家電4品目)一覧」 (財)家電製品協会 家電リサイクル券センター、2009年10月5日閲覧。
- ^ 「家電リサイクル用語についての質問 「小売業者」ってだれ?」家電製品協会 家電リサイクル券センター、2008年10月5日閲覧。
- ^ 粗大ゴミの回収始まる、市の所有地に仮置き場 柏崎 asahi.com、2007年7月27日、壊れて廃棄された家電製品輪島で搬出始まる asahi.com、2007年7月3日、地震によって被害を受けたごみの処理区分について(アーカイブ)(柏崎市)
- ^ “災害ごみの処分について(令和4年3月16日地震)”. 泉崎村 (2022年3月18日). 2022年6月5日閲覧。
- ^ 仙台放送 (2019年11月22日). “公園が災害ごみ置き場に…捨てられたテレビや冷蔵庫はどうなるのか”. FNNプライムオンライン. 2022年6月5日閲覧。
- ^ “被災した家電リサイクル法対象品目の処理について” (PDF). 環境省 (2011年3月). 2022年6月5日閲覧。
- ^ リサイクル料金が支払われていない(「PCリサイクル」マークのない)パソコンや単独ディスプレイについては、廃棄の際にリサイクル料金を負担することになる。
- ^ リサイクル料金が支払われていない、2005年1月1日より以前に保有されている自動車については、2005年1月以降の車検の際にリサイクル料金の上乗せ徴収が行われた。
- ^ リサイクル料は各車種ごとに定められた自動車と異なり、あるメーカーの冷蔵庫なら冷蔵庫として機種や大きさに関係なく一律に規定されているため価格の安い小型の製品ほどリサイクル料の割合が相対的に高くなる。
- ^ 小型テレビと冷蔵庫対象、家電リサイクル料値下げへ 読売新聞、2007年8月22日
- ^ 中央環境審議会循環型社会部会 家電リサイクル制度評価検討小委員会、産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会 電気・電子機器リサイクルWG 合同会合(第38回) (2021年4月19日). “資料2「家電リサイクル法に基づくリサイクルの実施状況等について」”. 2021年6月13日閲覧。
- ^ 読売新聞夕刊 2010年6月10日付
- ^ 田崎智宏 編『家電リサイクル法の実態効力の評価』国立環境研究所、2006年3月31日。ISSN 1341-3643 。
- ^ テレビの不法投棄が急増 リサイクル料負担に自治体悲鳴 地デジ化で - 2011年2月14日 千葉日報
- ^ “中央環境審議会循環型社会部会 家電リサイクル制度評価検討小委員会、産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会 電気・電子機器リサイクルWG 合同会合(第38回)”. 2021年6月13日閲覧。
固有名詞の分類
日本の環境法 |
環境基本条例 地球温暖化対策条例 特定家庭用機器再商品化法 特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律 都市の美観風致を維持するための樹木の保存に関する法律 |
リサイクル法 |
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