浄土真宗 依拠聖典

浄土真宗

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/16 00:07 UTC 版)

依拠聖典

正依の経典は「浄土三部経」である。七高僧の著作についても重んずる。中でも天親の『浄土論』は、師である法然が「三経一論」と呼び「浄土三部経」と並べて特に重んじた。親鸞は『仏説無量寿経』を『大無量寿経』『大経』と呼び特に重んじた。

浄土三部経
仏説無量寿経曹魏康僧鎧
仏説観無量寿経劉宋畺良耶舎
仏説阿弥陀経姚秦鳩摩羅什
七高僧論釈章疏
親鸞の思想に影響を与えた七高僧の注釈書など。
龍樹
十住毘婆沙論』全十七巻の内、巻第五の「易行品第九」 姚秦鳩摩羅什訳
天親造(婆藪般豆菩薩造)
無量寿経優婆提舎願生偈』(『浄土論』・『往生論』) 後魏菩提留支
曇鸞
無量寿経優婆提舎願生偈註』(『浄土論註』・『往生論註』)
『讃阿弥陀仏偈』
道綽
『安楽集』
善導
観無量寿経疏』(『観経疏』、『観経四帖疏』、『観経義』)[注釈 6]
『往生礼讃偈』(『往生礼讃』)
『法事讃』[注釈 7]
『般舟讃』[注釈 8]
『観念法門』[注釈 9]
源信
往生要集
源空
選択本願念仏集』(『選択集』)[注釈 10]
親鸞
顕浄土真実教行証文類』(『教行信証』)
浄土文類聚鈔
愚禿鈔
『入出二門偈頌』(『入出二門偈』)
『浄土三経往生文類』(『三経往生文類』)
『如来二種回向文』
『尊号真像銘文』
『一念多念文意』
『唯信鈔文意』
三帖和讃
浄土和讃
高僧和讃
正像末和讃

注釈

  1. ^ 親鸞における「法然から伝えられた教え」とは、法然を宗祖として伝えられた現在の「浄土宗」の教義とは異なる。そもそも法然の没後、門弟たちの間で法然の教義に対する解釈で微妙な違いが生じており、親鸞の主観としては自らが法然の教えの正当な後継者であった。
  2. ^ 浄土真宗本願寺派は、当時より宗派の正式名称に「浄土真宗」の文字を用いる。
  3. ^ 『大無量寿経』など浄土経典は、親鸞在世当時では釈尊自説と考えられていた。現代では浄土経典は、大乗仏典として後年制作されたものとされている[9]
  4. ^ 狭義で、血縁関係による法脈継承を「血脈相承」と用いる場合もある。広義では、法脈を師僧から弟子へと次々に相続してゆくことをさす[13]
  5. ^ ただし太平洋戦争中には真宗大谷派の僧侶である暁烏敏が、自坊に天照大神の祭壇を設けて戦勝祈願を行っていた。
  6. ^ 『観無量寿経疏』の各巻題は、『観経玄義分 巻第一』・『観経序分義 巻第二』・『観経正宗分定善義 巻第三』・『観経正宗分散善義 巻第四』である。
  7. ^ 『法事讃』…上巻の首題は、『転経行道願往生浄土法事讃』、尾題は『西方浄土法事讃』で、下巻は首題・尾題ともに『安楽行道転経願生浄土法事讃』である。
  8. ^ 『般舟讃』…首題は『依観経等明般舟三昧行道往生讃』、尾題は『般舟三昧行道往生讃』である。
  9. ^ 『観念法門』…首題は『観念阿弥陀仏相海三昧功徳法門』、尾題は『観念阿弥陀仏相海三昧功徳法門経』である。
  10. ^ 「選択」は、浄土真宗では「せんじゃく」と発音する。(浄土宗では、「せんちゃく」。)
  11. ^ 現在の浄土真宗本願寺派真宗興正派など。
  12. ^ 現在の真宗大谷派浄土真宗東本願寺派など。
  13. ^ 50か寺以上、所属寺院を有する宗派。
  14. ^ 平成14年現在、10,464か寺[16]
  15. ^ 平成14年現在、636か寺[16]
  16. ^ 平成14年現在、390か寺[16]
  17. ^ 平成14年現在、497か寺[16]
  18. ^ 平成14年現在、199か寺[16]
  19. ^ 平成14年現在、61か寺[16]
  20. ^ 平成14年現在、71か寺[16]
  21. ^ a b c d e f g h 平成14年現在の所属寺院数[16]

出典

  1. ^ [1][リンク切れ]
  2. ^ a b 『岩波仏教辞典』第二版、P.541「浄土真宗」より引用。
  3. ^ a b c 「浄土真宗」『日本大百科全書(ニッポニカ)』 講談社。
  4. ^ 「浄土真宗」『国史大辞典』 吉川弘文館。
  5. ^ 「浄土真宗」『世界大百科事典』 平凡社。
  6. ^ Jodo Shinshu hongwanji-ha (Nishihongwanji) > Teachings
  7. ^ Higashi Honganji(official website) > Shin Buddhism
  8. ^ Bukkoji Buddhist Temple > EnglishGuide
  9. ^ 『浄土三部経』(下)、「文献」・「解説」を参照。
  10. ^ 『岩波仏教辞典』(第二版)P541「浄土真宗」の項、および『真宗小事典』P92「浄土真宗」の項を参考文献として用いる。
  11. ^ 『浄土真宗聖典』オンライン検索にて検索
  12. ^ 名畑應順『親鸞和讃集』P200 - 208を参考文献として用いる。
  13. ^ 大辞林 第二版』三省堂、1999年を参照。
  14. ^ 『法令全書 明治5年』p.444
  15. ^ ここでいう通称は本山の通称であり、宗派の通称ではない。
  16. ^ a b c d e f g h 千葉乗隆 2005, p. 243.
  17. ^ 中外日報』2007年9月1日付を参考。本山が2007年11月に実施した、門徒戸数調査の対象寺院数より。対象寺院数は、8,871か寺(別院、教会を含む)。開山・廃寺により変動するため寺院数は、約8,900か寺とした。






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